大森カンパニープロデュース 人情喜劇シリーズVol.8「あじさい」
https://natalie.mu/stage/news/313860
2019年2月20日(水)~24日(日)
東京都 本多劇場
作:竹田哲士、大森博
演出:大森博
演出助手:大森瑞生・橘依里
照明:宮野和夫 音響:吉田文菜(SEシステム) 舞台美術・舞台監督:佐藤秀憲
宣伝美術:新實将人・上田哲郎
楽曲アレンジ・指導:園田容子 タップ指導:HAMACHI
出演:坂本あきら、山口良一、天宮良、大森ヒロシ、芋洗坂係長、嘉人、伽代子、長峰みのり、杉本有美、吉川友
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配役
役名 | 設定 | 演者 | 備考 |
---|---|---|---|
横やん | 日雇いの解体作業員 | 坂本あきら | ex.東京ヴォードヴィルショー |
カバちゃん | 日雇いの解体作業員 | 山口良一 | 東京ヴォードヴィルショー |
千葉ちゃん | 日雇いの解体作業員 | 天宮良 | |
オギちゃん | 日雇いの解体作業員 | 小浦一優 | 芋洗坂係長 |
松ちゃん | 日雇いの解体作業員 | 大森ヒロシ | 東京ヴォードヴィルショー |
彩 | 食堂・味彩を一人で切り盛り | 杉本有美 | |
史帆 | 元看護士。彩の姉 | 長峰みのり | ペテカン |
タティアナ | ベラルーシ人。夜の商売 | 伽代子 | |
後藤 | サラリーマン | 嘉人 | |
鈴 | 味彩を訪ねてきた女 | 吉川友 |
あらすじ
日雇いの解体作業員が働く街にある食堂「味彩」。
祖父が作った店とその味を孫娘の彩(杉本有美)が守っており、そこは彼ら日雇い作業員たちの憩いの場所であり、今日も彼らが話に花を咲かせていた。
元看護士で彩の姉・史帆(長峰みのり)は、最近彩の様子がおかしいことに気づく。
一方、店での会話の流れから、作業員たちの過去の話が徐々に明らかになってゆく。
横やん(坂本あきら)は元芸人だった?
カバちゃん(山口良一)は趣味の鉄道カメラに夢中で家庭を顧みなかった?
千葉ちゃん(天宮良)はギャンブルにハマってしまった過去がある?
松ちゃん(大森ヒロシ)には幼くして亡くなった娘が居た…?
そんななか、オギちゃん(小浦一優=芋洗坂係長)が公園で悩んでいた若い男・後藤(嘉人)を連れてくる。
さらに「おとうさん」を訪ねてきた長谷川鈴(吉川友)の存在…。
やがてそれぞれの関係が紐解かれ、史帆の秘密が明かされる。
感想
本多劇場は筆者、二回目かな?三回目かな?
入場してロビーに入ると、大森ヒロシ氏や山口良一氏がお出迎えしてくれ、パンフレットを手渡しされた。
お手伝いしていたのが、市川勇氏(ex.東京ヴォードヴィルショー)。劇団シニアグラフィティ『終着駅』(出演:柴田あゆみ・稲葉貴子・前田有紀)に出演されていた。
ロビーには大きなポスターや大森カンパニーの歴代作品のポスターが掲示されていた。
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差し入れ。
内容については「どうせ面白いんだぜ」と観る前から妙な安心感があった。
ヒロインは杉本有美殿。
『中野ブロンディーズ』(森咲樹)、『らん』(矢島舞美)、とハロー!・アップフロント勢とは比較的共演の多い人。
いや、こんなきれいな人がお店やってたら通うわそりゃ。
ベテラン勢の掛け合いも楽しい。
「芋洗坂係長」こと、小浦一優(こうら かずまさ)氏。役者としてはこちらの名前でやっている由。
天宮良氏。悪役も演る人だが、個人的には大河ドラマ『八代将軍 吉宗』(大岡忠光役)や『葵 徳川三代』(井上正就役)、『功名が辻』(本多正純役)で、いずれも徳川家の忠臣を演じているのが印象深く、今作のような役は新鮮だった。
そしておなじみ、坂本あきら氏、山口良一氏、大森ヒロシ氏。安心感というか、いやこれも期待以上。
全般、観劇前の期待以上の作品だった。
そこはかとなく漂う昭和感も嬉しい。平成がまもなく終わるけどまだ昭和は生きていると感じた。懐かしのシニアグラフィティを思い出したりも。
千秋楽のトリプルカーテンコールは撮影可であった。
ラストの『聖者が街にやってくる』の再現も。
役者としては憧れの舞台とされる本多劇場。
筆者、最初に本多劇場で観たのが「本多劇場の板に立たせてやる」と新人・素人かき集めて、彼ら彼女たちから納めさせた金で作・演出・主演やってる人の舞台だった。
主演一人とその他(ほとんどエキストラ)大勢、典型的な「一将功成りて万骨枯る」といった代物で、派手な舞台のわりにやや釈然としない思いをさせられた作品であった。
お金を納めたその他大勢の方に知人が居て、「わかってるけど、それでも本多劇場は魅力だった…」と。
だから「本多劇場の板に立つ」役者さんたちの気持ちは多少想像できる。 カーテンコールの杉本有美殿や嘉人氏の涙は感動的だった。
仕事ヒマな時期だったらもう一、二公演観たかったなぁ…。
それにしても、後藤役の嘉人氏。
結局誤解であったものの、途中まで「杉本有美と吉川友を二股かけている?」疑惑があって、
「この人夜道歩けなくなるんじゃないか…?」
と、少々心配になった(笑)
――大森カンパニープロデュース人情喜劇シリーズvol.8『あじさい』、了――