南アルプス天然少年団

南アルプス天然少年団

通りすがりの傍観者の足跡。

「今、宇部の手前ですね」

今週の『よろセン!』は、道重さゆみ先生による、ブルートレインに関する授業。
実家の山口県宇部までブルトレ富士・はやぶさ」(東京〜大分・熊本)で14時間かけて帰ることもあるらしい、自称・鉄ヲタ


しかし、「富士・はやぶさ」は今年3月で廃止になってしまう由。




実にタイミングよく、昨日の朝日新聞夕刊を何気なく読んでいたら、


「今、宇部の手前ですね」


という文字に目が止まった。
「包丁一本ブルトレ仁義」という記事。
『ニッポン人脈記』という連載、ちょうど今週は「心の鉄路」と題した鉄道関係者の人生模様を取り上げていた。


偶然にも昨日は「富士・はやぶさ」の食堂車に20年勤務していた宇都宮照信氏(現・九州鉄道記念館館長代理)の話。
長年食堂車で働いていると、外を見なくてもどこを走っているかわかるようになるらしく、カーブの感覚で分かる、というのが冒頭のセリフ。*1
氏は、新幹線の食堂車への移動を求められた際にも、
ブルトレから客を奪った新幹線になんか乗れない」
と断ったという、ブルトレ一筋の人物で、退職した今でも「富士・はやぶさ」を愛用しているらしい。




記事には、これまた偶然にも、ちょうど道重殿と同い年(19歳)で、「富士・はやぶさ」の廃止を惜しむ大学生の言葉が載っていた。
「新幹線は便利かもしれないけれど、旅って無駄を楽しむことでもあると思うのですが」


ホント、そう思う。
ごくまれに、そういう「旅の無駄」を楽しめない人(理解出来ない人)がいるけれど、そういう人ってホント、人生を損しているように思う。


昨夜の放送、
道重「寝台列車は『高い』『遅い』『うるさい』『狭い』」
 〃「異空間を楽しむもの」
を観た限りでは、道重殿はそういう「旅の無駄」を楽しんでいる人のようだった。
 
 

*1:記事の中では上り列車。