大森カンパニープロデュース人情喜劇シリーズvol.6『いざなひ』
https://ameblo.jp/upfront-girls-news/entry-12305543243.html
【作】故林広志
【作/演出】大森博
【キャスト】坂本あきら/山口良一(東京ヴォードヴィルショー)/大森ヒロシ(東京ヴォードヴィルショー)/佐久間哲/横山清崇/嘉人
岡まゆみ/仙石みなみ/伽代子/小山まりあ/仲村星凛
【日程】2017年12月13日㈬〜20日㈬
【劇場】下北沢 小劇場B1
【スタッフ】舞台美術/舞台監督・佐藤秀憲 照明・宮野和夫 音響・吉田文菜(SEシステム) 舞台美術・新實将人/上田哲郎
配役
役名 | 設定 | 演者 |
---|---|---|
藤川マキ | 元歌手 | 岡まゆみ |
ジョージ | 芸人 | 山口良一 |
立花六郎 | 元芸人 | 坂本あきら |
浅野正太 | 元芸人 | 大森ヒロシ |
浅野美咲 | 正太の娘。歌手志望 | 仙石みなみ |
香田桃子 | 美咲の友人。映画監督志望 | 小山まりあ |
ベネッサ | 奇術師 | 伽代子 |
飯田哲雄 | クラブ「K」オーナー | 佐久間哲 |
飯田志穂 | 哲雄の娘。ダンサー志望 | 仲村星凛 |
竹井雅彦 | 哲雄の部下。元ダンサー | 横山清崇 |
我喜屋ナオト | 哲雄の部下 | 嘉人 |
藤川愛(声) | マキの娘。美咲の同級生 | 大森美来 |
あらすじ
(公演終了につき、ネタバレ有り)
四半世紀前、数々の芸人や歌手・ダンサーを輩出した赤坂のクラブ『K』。
しかし、彼ら彼女らの多くはそれぞれの理由から店を去り、現在は閑古鳥の鳴く店内。残っているのはジョージ(山口良一)とベネッサ(伽代子)の二人だけ。二代目オーナーの哲雄(佐久間哲)は、日々膨らんでゆく借金に頭を抱えていた。
ある日、美咲(仙石みなみ)という娘が友人の桃子(小山まりあ)と共に店を訪ねて来る。彼女はかつてクラブ『K』で活躍した芸人・正太(大森ヒロシ)と歌手・カオルの娘で、亡き母と同じく歌手の道を歩もうとしていた。
一方、オーナー哲雄の娘・志穂(仲村星凛)はダンサーを志し、自らがこの店を立て直そうと考えていた。
クラブ『K』が閉店になるかもしれないとの噂を聞きつけて、芸人・六郎(坂本あきら)や元歌手で店の大スターだったマキ(岡まゆみ)も店にやってくる。
哲雄は店を閉めることを決断するが、先代オーナーの遺言状の存在が明らかになる。
若い力とレジェンドたちが力を合わせて、店の存続を賭けたショータイムを開催しようとするが、問題は愛娘・愛の死後、歌を歌えなくなったマキだった。
雑記
昭和の匂いのする舞台装置、そこはかとなく“ウヰスキー”(ウイスキーではなく)の香りのする空間。
大森氏の演出ということもあって、ハロヲタ的には懐かしい劇団シニアグラフィティ(2006〜07年*1 )を思い出したりもした。
今回、石原詢子殿*2が観劇していたのもその関係。
大森氏も坂本あきら氏もお久しぶり。
主演は岡まゆみ殿。
時代劇専門チャンネルでは若かりし頃の町娘役などのお姿をたびたび拝見することが出来るが、今回の役は声の出なくなった元歌手。
会場は舞台を客席がL字型に囲むようになっている。
筆者幸い、二回の観劇をL字のそれぞれ両辺部分にて観ることが出来た。
特筆すべきはやはり、クライマックスの娘たち三人(美咲・桃子・愛)の旅先で(愛が亡くなる前夜に)撮られた動画をみんなで観る場面。
実際に箱根まで行って撮ったそうな。
sengoku_minami昨日から舞台用撮影であるとこきてたよ✌︎景色がきれい〜〜♡
https://www.instagram.com/p/BcTYTueAOii/
当初、仙石殿がインスタに「撮影」と書いていて、いや、「録音」なのではないか?…と思ったものだが、そうではなく、実際に映像も撮影していたのだ。
ただひたすらに、生きる | 大森ヒロシ オフィシャルブログ「日々是笑進」Powered by Ameba
稽古場で稽古して
ダメを出すこと数回
当日は撮影部屋には僕はいません
三人娘だけで撮って貰いました
終わったら教えて貰って
じゃあ次は浴衣の上に丹前着てくれる?
だから撮影したのは
浴衣バージョン
丹前バージョン
2回だけ
https://www.instagram.com/p/Bc8rv34FQb8zYm55vroC1yrpk_pnzPRvBu3eNA0/
その映像は観客には見えない。音声が聴こえるのみである。
観客に見えているのは、ポータブルモニターで映像を観ている演者の顔であり、だから普通ならば音だけ録ってくるところだろう。しかし、映像があるからこそあの場面でのリアリティを生んでいるし、空気感を作っている。映像を観ている時の各演者の表情がそれぞれ微妙に異なるのも味わい深い。
このこだわりこそがあの名場面を作ったのだ。
仙石みなみ殿、アプガ卒業後初の舞台。
歌える人でないといけない役。そして、声の出なくなったマキを歌で助ける役。
実際にライブ中に声が出なくなった経験(アプガの横浜BLITZ公演)のある仙石殿、この作品に出会ったのは運命を思わせる。
良質の作品に恵まれ、女優道、順調なスタートを切ったといえる。
――大森カンパニープロデュース人情喜劇シリーズvol.6『いざなひ』、了――
*1:幸いにも全作観劇することが出来た。劇団シニアグラフィティ - Wikipedia