映画『LOCO DD 日本全国どこでもアイドル』前編

映画『LOCO DD 日本全国どこでもアイドル』公式サイト
 『LOCO DD　日本全国どこでもアイドル』　虚実の境はどこに？ - 47NEWS
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当該ブログに於いて以前述べたように、2月の横浜での上映の際に鑑賞することが出来た。
映画『LOCO DD 日本全国どこでもアイドル』@横浜 - 南アルプス天然少年団
 オトメ☆コーポレーション（長野）、FantaRhyme（福岡）、3776（静岡）という3組のローカルアイドルにスポットを当てたオムニバス作品で、

田中要次監督、オトメ☆コーポレーション主演『Last DAYS〜君といた場所〜』
大工原正樹監督、FantaRhyme主演『ファンタスティックライムズ!』
島田元監督、3776（井出ちよの）主演『富士消失』

という3篇で構成されている。
上映時間は2時間弱（113分）で、各話それぞれ約40分ほど。
ドキュメンタリーとドラマが半々という内容。

また、この日の上映後には、地元横浜のロコドル・ポニカロードのメンバーと『富士消失』の監督で全体のプロデューサーも務める島田元監督とのトークショー（公開取材）があった。
【公式】横浜アイドルポニカロード | 馬車道発横浜アイドル

（↑5:44あたりから、当日の公開取材の模様）
この中では島田監督の、
「映画はそもそもスターを観に行くもの」
「手作りで映画を作るならスター＝ロコドルがふさわしい」
「昔の二本立てのような感覚で各作品を観てくれたら嬉しい」
という発言が印象的である。

以下、各話について。
上映順は『Last DAYS〜君といた場所〜』→『ファンタスティックライムズ!』→『富士消失』であるが、都合上、逆の順で触れる。
なお、全国各地での上映が一段落したということなので、以下ネタバレ多数あり。

『富士消失』

主演：3776（井出ちよの）　監督：島田元
3776公式サイト
アルバム『3776を聴かない理由があるとすれば』で注目を集めた。
島田監督は自主映画（名門・早大シネマ研究会）出身。お名前は存じ上げていたが、作品を観るのは初めてであった。
前半がインタビューとライブシーン。後半がドラマという構成。
インタビューで「TOKYO IDOL FESTIVALに出たい！」と語っていて、そうか出てないのか！　TIF運営何やってんだ！？
ドラマ部分は、
「このコ、インディアンの格好させたら似合うと思ったんで」（島田監督。トークショーにて）
ということから、富士の裾野を舞台にした疑似ウエスタンストーリー。
島田監督は前述したようにトークショーにて、映画の本質として、
「スター（＝アイドル）を観に行くもの」
と語っていたが、西部劇もまた映画の王道。正しい手法だったと思える。

インディアンの少女が賞金稼ぎのガンマンと出会い、ともに富士山を盗んだ“山泥棒”の行方を追う、というお話。
盗まれた富士山を見上げるところなど、『3776を聴かない理由があるとすれば』のジャケット写真を思わせる動きが効果的。

ガンマンを演じているのは大村波彦氏。かつて学園モノのドラマで活躍した元アイドル、というのが感慨深い。

『ファンタスティックライムズ!』

主演：FantaRhyme　監督：大工原正樹
=TOP= of FantaRhyme official web site
福岡の二人組。ダンス＆ボーカルユニット。
大工原監督の作品を観るのは初めてであった。島田監督によれば「モーニング娘。のファン」らしい。
ライブ・特典会のドキュメント→ドラマ→ライブドキュメント、という構成。
メンバーのSaya（元LinQ）は新曲の歌詞を考えている。Ayuはラップを考えている。
冒頭のライブ・特典会ドキュメントのあと、ドラマ部分になる。
Ayuがバイトしている喫茶店にSayaが居て、そこへSayaのダメ兄貴（青木佳文。この人は役者さんである）が妹に金をせびりに来る。

Sayaは渋々兄に金を渡し、店を飛び出して行く。一部始終を見ていたAyuが兄に説教を始める。やがて兄は反省することになる。
一方、店を飛び出したSayaはとあるヲタに出会う。
いわゆる説教ヲタで、「こないだのどうだった？」「ちょっと踊ってみてよ」などといろいろ注文してくる。
しかし、Sayaはこのヲタとの交流で歌詞が思い浮かび、Ayuはダメ兄貴を説教したことによってラップ部分が浮かぶ。
そしてライブシーン（ドキュメント）へ。
上手な構成だなぁ、と思った。
また、この説教ヲタ氏は役者さん（松下仁）なのだが、冒頭のドキュメントのライブ・特典会のシーンに既に登場している。それでメンバーは最初本物のファンだと思っていたが…、という一種のドッキリの要素も含んでいて面白い。