南アルプス天然少年団

南アルプス天然少年団

通りすがりの傍観者の足跡。

舞台『信長の野望・大志 -冬の陣- 王道執行 ~騎虎の白塩編~』(2018/11/8-12)感想

舞台「信長の野望・大志 -冬の陣- 王道執行 ~騎虎の白塩編~」< SIDE織田・徳川 > < SIDE武田・上杉 >
2018年11月8日(木) ~ 12日(月) シアター1010
【原作】コーエーテクモゲームス
【企画】SANETTY Produce
【脚本・演出】久保田唱(企画演劇集団ボクラ団義)
【プロデューサー】東川真之(SANETTY Produce) / 中野則俊、佐藤崇行、紀嘉久(日活) / 竹澤寿之 (キョードーファクトリー)
【製作】舞台「信長の野望・大志」製作委員会(SANETTY Produce / 日活 / キョードーファクトリー)
【主催】舞台「信長の野望・大志」製作委員会 / 足立区シアター1010指定管理者


【出演】
織田家>鶏冠井孝介 / 田中れいな / 谷佳樹 / 後藤健流 / 大鳥れい / 八巻貴紀 / 黒貴 / 鵜飼主水 / 岡田隆之介 / 中村ヒロユキ / 竹内寿 / 矢野たけし / 高宗歩未 /橋本瑠果
<徳川家>竹石悟朗 / 緒月遠麻 / 大海将一郎 / 石渡真修 / 川上将大 / 霜月紫 / 香音有希
<武田家>友常勇気 / 小嶋菜月 / 菊田大輔 / 山本誠大 / 神坐慶 / 辻畑利紀 / 千葉瑞己 / 堀川りょう
<上杉家>根本正勝 / 仙石みなみ / 宮澤佑 / 髙﨑俊吾 / 根岸愛
<その他の勢力>加藤凛太郎 / 吉田宗洋 / 彦摩呂 / 笹木香利 / 荒澤守

https://www.nobunaga-stage.com/cast.php







元モーニング娘。、元AKB48、元アイドリング!!!NEO fromアイドリング!!!)、元アップアップガールズ(仮)、元PASSPO☆の共演。
11月9日の「SIDE武田上杉」を観劇。DVD収録回であった。
約3時間の長尺(前半1時間45分→休憩→後半50分・カーテンコール)なれど、話がテンポよく進むので最後まで楽しめた。
ただ、自分のように歴史好きは話がポンポン進んでも、ホイホイ付いていけるが、歴史苦手だって人はどうなんだろう?
休憩時に、どなたか男優さんのファンの方だと思われる女性の、
「歴史わかんないから、これ何回も観るの苦痛かも…」
という声を聞いた。


登場人物の何人かに「平成の記憶がある」というのが、この作品の肝。
これって要するにゲームをプレイしているものの分身と考えていいのだろう。
なので、史実とはところどころ違ってくる。
竹中半兵衛前野長康の最期など…。
ちょっと気になったのは、
直江兼続が「樋口兼続」で登場するのに、なんで真田昌幸は「武藤昌幸」じゃないんだ?とか(昌幸が真田に復姓するのは兄・信綱の死後)。
昌幸が兄の信綱に「上田へ帰りますか?」と言うんだけど、まだ上田城ないだろ、とか(上田築城は本能寺の変よりもあと)。


「もっといい歴史にしよう!」
というセリフがあるが、果たしてどうなるのか?…というのがストーリーの本筋。
本作の織田信長(演:鶏冠井孝介)のキャラクターは、以前のドラマや小説等で語られた革命的で独裁的でやや残忍なところもある信長像ではなく、最新の研究結果に寄せている感じ。
常識人で寛大で、そしてやや人を信じすぎるきらいのある信長。
ふと、信長像が最近変わって来たのも誰かがタイムスリップして歴史に何か影響を与えたのかも?…という妄想が膨らんだりもした。


真田昌幸役は菊田大輔氏。

映画『篤姫ナンバー1』(2012年。エグゼクティブ・プロデューサー:つんく♂)で、現代にタイムスリップしてきた篤姫石川梨華)と相思相愛になる役だった。
篤姫ナンバー1』には古川小夏殿とも共演、あと、アプガと同じく“戦国鍋TV”ファミリー。
仙石みなみ殿とはかなり以前、TBSドラマ『シマシマ』(2011年)で共演しているんですな。
みなみ!チョコっと!?♪ | アップアップガールズ(仮)オフィシャルブログPowered by Ameba


「SIDE武田上杉」は、実質主役は武田勝頼


ちょうど観劇前夜、BSプレミアム『英雄たちの選択』「武田勝頼・山城をめぐる最期の決断」(武田勝頼研究の第一人者・平山優先生出演)をやっていたので観た直後。
英雄たちの選択「武田勝頼・山城をめぐる最期の決断」 - NHK
なので、いろいろと感じるところが多かった。
勝頼役は友常勇気氏。以前、大谷雅恵殿(ex.メロン記念日)がよく出演していたASSHの舞台で時々拝見していた。大谷殿が甲斐姫役を演じた『降臨Fight』では前田慶次役だったなぁ、と。


勝頼夫人(信長の姪で養女)が元AKBの小嶋菜月殿。信勝の母ですな。


前夜の『英雄たちの選択』でも飯田泰之先生が、
「信勝だけはなんとか生き残らせられなかったか」
「その後大名に復帰出来るチャンスはあったはず」
と、力説していたので、またいろいろと考えさせられた。
もしも生き残っていたら、本能寺の変後の甲斐・信濃の混乱期(天正壬午の乱)に、徳川か上杉か北条か、はたまた真田か? 信勝を擁立する勢力はあったかもしれないし。徳川が信濃の旧国主の小笠原家をうまく利用したこともあるので。


アップアップガールズ(仮)仙石みなみ殿は上杉家・直江姉妹の姉・浪(なみ)。


生涯妻を持たなかった上杉謙信がただ一人愛した女性。
NHK大河ドラマ天地人』(2009年。主演・妻夫木聡)だと、吉瀬美智子殿が演じていた役(『天地人』では「お悠」)ですな。
天地人』では謙信の死後仏門に入りますが、今作では…。


PASSPO☆キャプテン・根岸愛殿は直江姉妹の妹・船(せん)。


天地人』だと常盤貴子殿演じるヒロイン。樋口(直江)兼続を婿に迎える。
パンフレットで根岸殿自身も語っていたが、直江兼続が「愛」の字が飾られた兜をしていたので奇妙な縁ですな。
今作ではかなり自由奔放で、納得いかなければ相手が偉い人だろうが誰だろうがくってかかる役。イメージとしては『真田丸』のきり(長澤まさみ)だったのかな? 熱演でした。


その他、
上杉謙信(演:根本正勝)のビジュアルが、もろに『風林火山』(2007年)のGackt謙信だったり、

井伊直虎役が『おんな城主 直虎』(2017年)もあってか、男装の麗人(演:緒月遠麻=元宝塚の男役)だったり、

大河ファンはかなり楽しめる内容。


柴田勝家お市にベタボレなんですな。
カーテンコールでお市田中れいな)の紹介時に、勝家だけがひざまずいているのもニヤリとさせられる。
で、秀吉はお市に対してそうでもない(劇中、妻のねねにはちょっと嫉妬されているものの)。
「勝家とお市の結婚を取り持ったのは、実は秀吉」という最近の説に寄せたものかもしれない。
勝家役は鵜飼主水氏。この人もASSH作品で大谷雅恵殿との共演多数。『降臨Fight』では加藤清正役でした。無骨な武将役が似合う。


そして全体のヒロイン・お市役の田中れいな殿。



座ってる場面が多かったように思うが、それでも存在感抜群。
歌の場面は聴き入るしかない。
この人の歌声、映画やドラマの主題歌向きなんじゃないかと思ったりもした。



終演後、アンケートを書いてスタッフに渡すと、会場のある北千住マルイの地下のフードコートの割引券を貰えたのでお食事させていただいた。
このあとは、川崎へ移動。




――舞台『信長の野望・大志 -冬の陣- 王道執行 ~騎虎の白塩編~』、了――