南アルプス天然少年団

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通りすがりの傍観者の足跡。

大河ドラマ アンコール(6/21)

BSプレミアム大河ドラマアンコール『太平記

(1)「父と子」 - 太平記 - NHK
大河ドラマ 太平記 | NHK放送史(動画・記事)
1991年の作品の再放送中。

【配役】
足利尊氏真田広之 登子■沢口靖子 足利直義高嶋政伸 高師直柄本明 細川顕氏森次晃嗣 藤夜叉■宮沢りえ ましらの石■柳葉敏郎 佐々木道誉陣内孝則 北条高時片岡鶴太郎 赤橋守時勝野洋 長崎円喜フランキー堺 新田義貞萩原健一(病気の為途中降板)→根津甚八 勾当内侍宮崎萬純 脇屋義助石原良純 楠木正成武田鉄矢 楠木正季赤井英和 花夜叉■樋口可南子 後醍醐天皇片岡孝夫(現・片岡仁左衛門) 阿野廉子原田美枝子 小宰相■佐藤恵利 護良親王堤大二郎 千種忠顕本木雅弘 北畠親房近藤正臣 北畠顕家後藤久美子 二条の君■森口瑤子


大河ドラマ本の表紙がまるでアイドル雑誌…!
後藤久美子が男性役だったのも話題を呼んだ。
足利兄弟、楠木兄弟、新田・脇屋兄弟、いずれも兄は温厚で弟が血の気が多いというキャラ設定で妙な統一感がある。
麒麟がくる』に斎藤道三役で出演中の本木雅弘が若かりし頃に千種忠顕という若い公家を演じているが、もうちょっとあとの時期の製作なら護良親王を、さらにあとの時期なら足利尊氏を、今なら後醍醐天皇を演じていたんじゃないかな?…なんて想像しながら観てます。
あと主人公(足利尊氏)の妻が沢口靖子で、弟が高嶋政伸って配役が、同じ大河ドラマ『秀吉』(1996年。主演・竹中直人)と一緒ですな。
端役で豊川悦司段田安則田口トモロヲが出てくる(こういうのが昔の大河ドラマを観る楽しみでもある)。
また、端役ながら大杉漣、下元史朗、上野淳…といったそれまでロマンポルノやピンク映画で活躍していた俳優を起用しているのも特徴のひとつ。
最終回近くには、まだ無名だった頃の常盤貴子(侍女役)も出てくる。


NHK麒麟がくるまでお待ちください 国盗り物語』(6/21)


「国盗り物語」 - 麒麟(きりん)がくるまでお待ちください 戦国大河ドラマ名場面スペシャル - NHK
www.youtube.com
大河ドラマ 国盗り物語 | NHK放送史(動画・記事)
大河ドラマ『国盗り物語』 | NHK放送史(動画・記事)
大河ドラマ最高傑作」との評もある1973年の伝説のドラマ。原作・司馬遼太郎
現在放送休止中の『麒麟がくる』と時代設定やストーリー展開・登場人物が重なるので改めて注目されているドラマである。
同じ司馬原作の『新史太閤記』『功名が辻*1『尻啖え孫市』『梟の城』等をミックスした脚本となっており、それぞれサイドストーリーの主役として登場する。

【配役】
松波庄九郎(斎藤道三)■平幹二朗 油屋お万阿■池内淳子 赤兵衛■山谷初男 耳次■谷啓 土岐頼芸金田龍之介 愛妾・深芳野■三田佳子 斎藤義龍若林豪 道三の正室・小見の方■山本陽子 濃姫(帰蝶)■松坂慶子 猪子兵助常田富士男 明智光秀近藤正臣 お槙■中野良子 明智光春■三ツ木清隆 織田信秀千秋実 織田信長高橋英樹 お市松原智恵子 平手政秀■田崎潤 柴田勝家宍戸錠 丹羽長秀■北村晃一 滝川一益■今福正雄(のちの今福将雄) 前田利家目黒祐樹 木下藤吉郎(羽柴秀吉)■火野正平 寧々■太地喜和子 蜂須賀小六山田吾一 竹中半兵衛米倉斉加年 黒田官兵衛江守徹 山内一豊■東野孝彦(のちの東野英心) 山内千代■樫山文枝 徳川家康寺尾聰 足利義輝竹脇無我 足利義昭伊丹十三 細川藤孝伊吹吾郎 浅井長政杉良太郎 朝倉義景浜畑賢吉 武田信玄■大友柳太朗 顕如■伊藤孝雄 雑賀孫市林隆三 葛籠重蔵■露口茂

前半が斎藤道三編、後半が織田信長編。

乞食同然の身から京の山崎の油屋の入婿となった松波庄九郎が、守護大名土岐氏の内紛に乗じて美濃国を乗っ取り斎藤道三になるまでが前半*2

(↑道三・小見の方夫妻)
道三は天下統一の夢を娘婿の織田信長と妻の甥の明智光秀に託す。その後本能寺の変で信長は光秀に討たれ、光秀もまた山崎の合戦で羽柴秀吉に敗れる。
つまり、山崎で始まって山崎で終わるという構成。


司馬遼太郎原作なので、配役が原作通りのイメージ*3
火野正平は秀吉役に大抜擢されたことでブレイクした。先に明智光秀役に決まった近藤正臣と同じ事務所所属で、事務所の人が推薦したらしい。有能で基本的に気のいい人なんだけど、ちょっとズルくて女好きで…司馬作品の秀吉像にぴったりハマる人。



(↑秀吉軍首脳。左から山内一豊黒田官兵衛羽柴秀吉蜂須賀小六

(↑竹中半兵衛
山田吾一蜂須賀小六は「頼りになるおっちゃん」といった感じのリアルな小六像。聖人君子のような竹中半兵衛、ちょっと俗っ気のある黒田官兵衛の対比も良かった。
特筆すべきは寧々役の太地喜和子。司馬作品で描かれる寧々(北政所)そのままのイメージ。ちょっとふくよかで司馬の「ころころと笑う」という表現にぴったり。若くして亡くなってしまったのが惜しまれる女優さん。
他に、まるで悪の帝王のような足利義昭役の伊丹十三が印象的。


近藤正臣は現在岐阜県に移住しているとのこと。そりゃ明智光秀の故郷じゃないですか。
高橋英樹が、道三と信長が一度だけ対面した「正徳寺の会見」のシーンの裏話として、
「撮影中、平(幹二朗)さんにお会いしたのこの時だけです」
と、言っていたのには驚いた。まさに史実通りの一期一会だったわけ。


この作品、残念ながら現存しているのは総集編のみ。当時ビデオテープは高価で、NHKですら使い回ししていた。
…とされていたが、近年、浅井長政役だった杉良太郎の自宅から当時まだ珍しかった家庭用ビデオデッキで録画された2話分が見つかったらしい。


杉良太郎さんから『国盗り物語』大発掘! | NHK番組発掘プロジェクト通信
総集編のクレジットを見ると、名取幸政氏の名前がある。舞台『おじぎ30度』(高橋愛主演)や『すこし離れて、そこに居て』(大谷雅恵柴田あゆみ出演)で、一時期ハロプロ勢と共演していた。
端役で見つけたのは服部小平太(桶狭間の合戦で先に今川義元に斬り込む武士)役の津嘉山正種。のちの『踊る大捜査線』シリーズの警察トップじゃないか(最後に辞任させられるが)。


のちに高橋英樹は『戦国最後の勝利者徳川家康』(1992年、テレビ朝日)、『12時間超ワイドドラマ 織田信長』(1994年、テレビ東京)で信長役を、近藤正臣は『豊臣秀吉 天下を獲る!』(1995年、テレビ東京)で光秀役を、寺尾聰は『軍師官兵衛』(2014年、大河ドラマ)で家康役をやっている。
また、『国盗り物語』は、のちにテレ東の新春大型時代劇(2005年)でリメイクされていて、信長役が『麒麟がくる』で斎藤高政(義龍)役の伊藤英明だった。他の配役は、斎藤道三北大路欣也濃姫菊川怜明智光秀渡部篤郎。光秀の娘・玉(のちの細川ガラシャ)が石川梨華だった。
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「麒麟がくる」の代役「国盗り物語」を懐かしむ声「これぞ大河の中の大河という華がある」...「本能寺の変」と「光秀と帰蝶の恋」はこう描かれた: J-CAST テレビウォッチ【全文表示】
 
 

*1:功名が辻』は2006年に仲間由紀恵主演で大河ドラマ化されており、同じ原作が二度使われた珍しい例。

*2:史実では油屋だったのは道三の父で、親子二代での国盗りとされている。『麒麟がくる』でもそのような設定になっている。

*3:司馬は自作の映像化に際してキャスティングにはうるさかったらしい。『新選組血風録』が初めて映像化された東映映画『新選組血風録 近藤勇』が原作のイメージとまったく異なったために激怒したことかららしい。