ここでは、純粋にPVとしての出来を考えてみた。
モーニング娘。『リゾナント ブルー』
評判通りのカッコいい楽曲、カッコいい衣装、カッコいいダンス。
しかし、映像的に工夫がないのが最大の欠点。
特典映像の「ダンスショットバージョン」みたいな平面的な作りで、せっかくの素材をインパクトの薄いものにしてしまっている。
ちょっと彼女らのパフォーマンスに頼り過ぎ…というよりも、これ、作り手側全然仕事してないだろ!
メンバーによってカット数に差があり、そういう意味でもプロモーションになっているのか甚だ疑問。
Berryz工房『ジンギスカン』
全体とソロのショットを交互に見せる、ハロプロ的にオーソドックスな作りのPVで、出来も水準以上には達していると思う。
観客役に幼稚園児を使ったのも観ていて楽しいし、いいと思う。
ある意味基準となる作品といえる。
℃-ute『涙の色』
ビル街…だと思うのだが、中途半端なオブジェ。衣装から、美少女探偵団?それとも戦隊モノか…?とも思ったがそうでもない。
とにかく作り手側の意図がよくわからない。
壁と壁に挟まれているカットもあって、イッセー尾形殿の一人芝居『ヘイ、タクシー!』(タクシー待ってたら寒いので、ビルの隙間に入ったら出られなくなっちゃった…てな話)を思い出してしまった。
Milky Way『アナタボシ』
曲調と珍妙なダンスもあってインパクトは大。
三人ということもあって、メンバーの顔、個性の違いを見せ易いのか、そういう意味では成功している。
また、これもセットはビル街なのだが、手は施されており、オモチャ的に造型されている。これがあるので『涙の色』がだいぶ損している感。
ラストカットが三人でなく、久住…、いや、月島きらり殿一人の笑顔、というのが「どうだ、まいったか」的な作り手側の自信を感じさせる。
美勇伝『なんにも言わずに I LOVE YOU』
三人の想い出作り?に、お互い撮り合ったと思われる8ミリフィルムの映像を多用。一瞬映るカメラの形状から察するにフジカシングル8。
といっても、三人とも映っているカットもあるのでスタッフによる撮影もあるだろう。
(この手のモノは手作り感を出す為に、意図的に狙って手ブレさせたりするので、意外とプロの撮影だったりする)
ちょっとズルいなぁ…という気もするのだが、ラストシングルというアナウンス、曲調とも相まって情感ある作品に。
メロン記念日『カリスマ・綺麗』
予想通りライブ映像の再編集版。まぁ、手抜きなのだが、さほど出来は悪くない。
ライブDVDとの区別化をはかる為であろう、スローを多用。
プロモーション、という意味では四人のソロコーナーの映像を使っているのはそれなりに評価していいと思う。