南アルプス天然少年団

南アルプス天然少年団

通りすがりの傍観者の足跡。

『風林火山』

さて、先週金曜日、朝日新聞的には元モーニング娘。の皆さんの舞台が好評のなか、筆者はモーニング娘。ともハロプロともまったく関係のない日生劇場に行って来たのであった。



平成二十年 日生劇場 松竹四月公演
風林火山〜晴信燃ゆ〜』
四月五日(土)〜二十七日(日)


【原作】井上靖大森寿美男NHK脚本より
【脚本・演出】石川耕士
【音楽】千住明
【出演】市川亀治郎武田晴信山本勘助二役)、JJサニー千葉板垣信方)、橋本じゅん(駒井政武)、高橋和也(教来石民部、のち馬場信春)、嘉島典俊武田信繁)、松尾敏伸武田信廉)、尾上紫(三条夫人)、守田菜生由布姫)、大和田美帆(於琴姫)、笠原章(武田信虎村上義清二役)、仁科亜季子(大井夫人)


(以下、ネタバレはしてないはずなので、万が一観に行かれる方がいたとしても安心してお読み下さい)




亀治郎晴信を始め、板垣=JJサニー千葉千葉真一より改名)、馬場=高橋和也、信繁=嘉島典俊、信廉=松尾敏伸大河ドラマと同じ配役。
亀治郎勘助は、大河版・内野聖陽勘助をリスペクトした芝居(「姫しゃま〜!」)。
大河で常田隆永(真田幸隆佐々木蔵之介=の弟)役だった橋本じゅんが駒井政武役。
信廉=松尾敏伸中澤裕子主演『ほーむめいかー』の管理人さん。もっと有名なのは『真珠夫人』の大和田伸也演ずる富豪の障害のある、しかしそれだけに純粋な心をもつ長男役。
あっ、大和田伸也といえば大和田美帆の伯父さんか。


女優陣は仁科亜季子をも含めてみな二世。
尾上紫(父・尾上菊之丞)、守田菜生(父・坂東三津五郎)、大和田美帆(父・大和田獏、母・岡江久美子)、仁科亜季子(父・岩井半四郎)。


全体としては歌舞伎、映画、新国劇(笠原章)、大衆演劇嘉島典俊=チビ玉)、元ジャニーズ…といろいろ混ざっております。


(ちなみに、大河ドラマ版のキャストは、三条夫人:池脇千鶴由布姫:柴本幸、於琴姫:紺野まひる武田信虎仲代達矢、大井夫人:風吹ジュン、駒井政武:高橋一生村上義清:永島敏行)
NHK大河ドラマ風林火山
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A2%A8%E6%9E%97%E7%81%AB%E5%B1%B1_%28NHK%E5%A4%A7%E6%B2%B3%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%9E%29


流れとしては晴信婚姻から、父・信虎追放、諏訪氏を滅ぼして由布姫を得て、板垣を失いながらも村上義清を倒し、長尾景虎上杉謙信)との対決目前…あたりまでの大河ドラマ名場面集。
むろん、亀治郎殿主演の為、勘助よりも晴信の心情に多くをシフトした形。
父との確執。だからこその弟たちへの愛情と、父とも慕う板垣信方との交流。正室と側室たち、その子たちへの思い。
立ちはだかる村上義清。ここで、笠原章の父・信虎と村上義清二役というのが生きてくる。


演出の石川耕士という方は、スーパー歌舞伎の方だそうで。(亀治郎殿は市川猿之助殿の甥だもんな)
見せ場の早変わりと宙吊りはもちろん、舞台の奥行き、そして縦さえも(宙吊り)、を使った派手な演出はやはり凄い。
勘助→晴信への早変わりが二回あるのだが、一回目の、
勘助(亀治郎)→勘助(後ろ姿のみの影武者)→晴信(亀治郎
が、どこで亀治郎殿から影武者へ入れ替わったのかわからなかった…。
(二回目のはわかったのだが)


大河版観てなくとも楽しめる、観ていればもっと楽しめる…、といった内容。




しかし、これだけ『風林火山』を話題にしてくれたのだから、亀治郎殿もサニー殿も、もちろん内野勘助殿もGackt謙信殿も(去年の『紅白』!…あれは震えた)、みんな殊勲甲だよなぁ。
泉下にて、井上靖先生も稲垣浩監督も、世界のミフネも裕次郎も錦ちゃんも、さぞかし喜んでいることだろう。


映画『風林火山
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A2%A8%E6%9E%97%E7%81%AB%E5%B1%B1_%28%E6%98%A0%E7%94%BB%29


関係ないが、板垣退助の家は板垣信方の子孫、ということになっているらしい。