南アルプス天然少年団

南アルプス天然少年団

通りすがりの傍観者の足跡。

印刷博物館へゆくの巻

印刷博物館というところへ行って参った次第。




「ミリオンセラー誕生へ!―明治・大正の雑誌メディア」

http://www.printing-museum.org/exhibition/temporary/080920/index.html




長年見たくて見たくてたまらなかった、宮武外骨主筆の『滑稽新聞』の実物が見られるとあって、いそいそと出かけたわけである。


場所は東京都文京区。
JR飯田橋駅近く、トッパン小石川ビル。
入館してみると、ちょうど団体客が館員の解説を受けてながら見学していたので、それについて行ってみようかとも思ったが(←よくやる手♪)、どうやら関係者の接待?らしく、印刷の技術的な話ばかりしていたのでスルー、一人でゆっくり観ることに。




しかし、面白かった…!




初めて「雑誌」という言葉が使われた(一応、日本最初の雑誌ということになっている)『西洋雑誌』(慶応3=1867年発行)や、木戸孝允がオーナーだった『新聞雑誌』(明治4=1871年)。
明治9(1876)年に発行された『農業雑誌』(創刊したのは津田塾大学創始者・津田梅子の父・津田仙)では、アメリカ産トウモロコシの種の通信販売をやっていて、これが日本初の通販らしい。
もちろん『ホトトギス』(正岡子規高濱虚子、夏目漱石吾輩は猫である」)や『白樺』(武者小路実篤志賀直哉有島武郎)など、教科書に出てくるものや、日本最初の漫画雑誌『東京パック』(明治38=1905年)、最近ブームだったり、ハロヲタ的にはどうしても「サイボーグしばた」を思い出してしまう(笑)小林多喜二蟹工船」の掲載されていた『戦旗』(昭和3=1928年)など。


現在の講談社(当時・大日本雄弁会講談社)の礎を築いたとされる大ベストセラー雑誌『キング』(大正14=1925年)。
創刊号には、来年の大河ドラマの主役・直江兼続の伝記が掲載されていた。
週刊朝日』だの『サンデー毎日』だの、大正時代からあったんだなあ…。


日本初の大ヒット漫画「のらくろ」が連載されていたことで知られる『少年倶楽部』。
のらくろを型どった店頭ポップや付録の数々…。
年賀葉書の印刷盤なんてのもあって、厚紙で出来た型に色を塗ると印刷出来るわけ。
これ、今でも使えそうな…。


何より驚いたのが、昭和7(1932)年付録の戦艦三笠の大模型。
全部紙で出来ていて、のりを使わないで差し込み式で組み立てるもの。完成品(復刻版)が展示されていたが、“大模型”というだけあって大きいこと。軽く手を拡げたくらいの全長。部品はA3の紙6枚分あったという。


結局2時間以上も長々と観入ってしまい、閉館時間になってしまった。おかげで通常展示はざ〜っと観ただけ…。



というわけで、長々と書いてしまったので、筆者お目当ての『滑稽新聞』と宮武外骨については、また後日にゆっくりと…。