南アルプス天然少年団

南アルプス天然少年団

通りすがりの傍観者の足跡。

大谷雅恵@『Rooftop』


歌で人の心を動かしたい──
ソロとしての第一歩を踏み出した生粋の唄い手が語る“夢に懸ける決意”


メロン記念日の解散後、自身のブログで「私の夢は“自分の言葉で唄いたい”」と公言していた大谷雅恵の夢が早くも一歩近づいた。現在、着うたサイト「mero.jp」で配信限定リリースされているソロ・デビュー曲『Killing My Caddy』は、臆することなく新しい世界へ飛び込んで自らの夢に邁進していく決意表明の如きナンバー。煌びやかでポップなメロディと大谷の艶やかなヴォーカルが溶け合った佳曲で、挨拶代わりの一発としては申し分のない出来である。徒手空拳のまま自らの力だけで帆を上げ、果敢に大海原へと漕ぎ出した大谷雅恵の人生航路とは? 何の後ろ盾もなく独り立ちしたその胸中とは? さる8月19日、阿佐ヶ谷ロフトAで行なわれた掟ポルシェミッツィー申し訳のトーク・ライヴ『アイドルについて真剣に考えすぎて泡吹いて倒れそうになる会』にゲスト参戦した大谷を楽屋で直撃した。(interview:椎名宗之+やまだともこ)

メロン記念日解散後

5月4日以降、もうちょっと休んでから動き出すはずだった。
自転車で転倒して右手を負傷したり、軽い気管支炎になたりと、アクシデントにも見舞われた。一人で活動するプレッシャーがいろいろとのし掛かってきたんだと思う。
メロンが終わっても自分が今やってることをファンに伝えるのは途切れさせたくなかったので、すぐにブログを始めた。
貯金がないのですぐにバイトを始めた。
バイトをすることを公言するのにためらいはなかった。逆にアップフロントに気を遣って、チーマネに相談したら「お前がいいならいいよ」と言ってもらった。



メロン記念日元メンバー

メロンのラスト・ライヴのDVDは絶対に泣くからまだ見ていない。
解散して3ヶ月経ったが、現実の生活に追われてメロン時代のことは全然振り返ってない。
ムラっちとあゆみんはブログを始めてるので、直接連絡を取らなくてもそれを見て安心したりしている。
SHIBUYA-AXで初ライヴをやった時は3人とも見に来てくれて、その後ひとみんの家に行って新妻の手料理をご馳走になった。ハチミツ二郎さんは幸せ者である。



UFAを飛び出して

アップフロントともいろいろ相談させてもらったが、歌だけの活動は難しいと言われ、ちょうど舞台の話(『刻め、我ガ肌ニ君ノ息吹ヲ』)が決まりかけていたので、ひとまず自分一人でやってみようと思った。
交渉事も全部自分でやってるので、マネージャーの仕事もよく判るようになった。
「事務所を辞めて声が掛けやすくなったよ」と言われることも多く、アメブロのメッセージ宛にオファーをたくさん頂いている。
音楽活動に関しては、友達でもある美羽が所属してる事務所の方にバックアップしてもらっている。舞台もやりたいので、当面はどの事務所にも属さずに活動していく予定。



舞台『刻め、我ガ肌ニ君ノ息吹ヲ』

稽古は順調。
1日しか記憶が持たない静という特殊な役でやりがいのある役柄。
今日は通し稽古をお休みしてきたが、“私がいなくても成立しちゃったらどうしよう…”って寂しい思いをしながら稽古場を出て来た。
最近は殺陣にも関心を持っている。



ソロ・デビュー曲『Killing My Caddy』リリースの経緯

きっかけは親友の美羽が司会をやっている『mero.jp ミュージック Channel』という番組にゲストで呼ばれた時に、曲を作らないか?という話を頂いて。それから1ヶ月くらいで完成したので、自分でもこんなに早く形になるとは思わなかった。
曲を柴田あゆみソロ曲『ドライブ』作曲の藤末樹さんが手掛けたのは全くの偶然で、最初から決まっていた。
大好きなバラードで勝負したい気持ちもあったが、再出発だから明るめの曲で行ったほうがいいのかなと。
最初に藤末さんに頂いた歌詞は自分から出る言葉じゃないものが多かったので、所々に自分らしい言葉を挙げて歌詞に入れてもらった。曲が完成したのを聴いて、聴いてくれる人にとっても私自身にとっても応援ソングだなと思った。
タイトルの“Caddy”は“Cadillac”(キャデラック)を崩した形で高級なものの象徴。ゴージャスな部分は取っ払って新たにスタートしようという、今までの余分な荷物は処分して一から出直そうという歌。



ソロ初ライヴ

SHIBUYA-AXでの初ライヴの時は、左腕に歌詞を全部書いたのに見る余裕もなくて、しかも歌詞の一部を飛ばしてしまった。
最前列まで応援に駆けつけてくれたメロンの3人のうち、ひとみんだけはヒマワリを持って泣きながら声援を送ってくれているのがクッキリ見えた。
メロンの解散発表をしたステージで再出発を果たしたのには縁を感じた。
ライヴは月1回のペースでやっていこうと思っている。次のライヴは10月4日に六本木のmorph-tokyoで美羽と一緒にやるので、そのライヴまでにもう1曲作って、コミュニケーション・タイムを作ってお客さんと触れ合うイヴェント・ライヴにする。



作詞・作曲

楽器ができないので、浮かんだメロディを携帯電話のボイスに吹き込んで、それを作曲家さんに持っていって曲にしてもらう感じ。
作詞は上手いことまとめようとしてもまとまらない。ソロ・デビュー曲は自分で歌詞をつける予定だったが、どんな曲が来るか具合が判らなかった。今から作る曲は自分で作詞をやろうと思っている。*1
ジャンル的なこだわりや制約は特にない。 チャレンジしてみたいのは全編英語の歌。



今後について

今はとにかく歌とお芝居をガッツリやりたい。
欲を言えば、今は何も家族にサービスができていないので、その時間は欲しい。
メロン時代の曲はいずれはライヴで唄いたい。ただ、あの10年はあの10年で完成されたものなので、今は自分にしか唄えない歌で頑張りたい。
歌手活動でタッグを組んでみたい人は傳田真央さん。DJ JURIさんに紹介してもらった。
ロック化計画で関わったバンドにサポートしてもらうのも夢。ビークルのタロウさんやニューロティカのカタルさんには頼んでみたい。
ビークルが解散を発表した時にタロウさんに電話して「これからどうするんですか!?」って訊いたら、「解散して独り歩きしてるのはお前のほうが先輩なんだから」と言われた。「舞台もやりたい」とも言っていた(笑)


最近、上京する前に私の周りにいた人たちがまた集まってくれていて、今はデビュー前の気持ちに戻ってる感覚がある。
舞台で共演する役者の方々は年下が多くて、「昔、テレビで見てましたよ」なんて言われる。自分たちなりにちゃんと残せてたんだなと思うし、今度は大谷雅恵個人としても残せるものをちゃんと残したい。
バイトをしたり自分でマネージメントをすることはやって良かったと思っている。税金が大変だとか、今はキャデラックを殺す前に住民税に殺されそう(笑)



近い将来実現したいこと

歌で人の心を動かしたい。
どれだけ着飾っても、人間は結局中身だと思う。着飾って世に認められたら、それはそれでその人の才能だと思うけど、私はメロン記念日の一員として充分着飾ることを経験できたので、そういうのはもういい。装飾品を取っ払ってこその自分だし、これからは素の自分がどれだけの人に受け入れられるかの勝負。




全文はこちらに。





一方、連載の方はインタビュー当日の「掟ポルシェミッツィー申し訳のトーク・ライヴ『アイドルについて真剣に考えすぎて泡吹いて倒れそうになる会』」の模様。


事前に元チーマネ氏に「まかせたぞ」と釘を刺されながらも、結構ぶっちゃけたそうで(内容については人づてにいろいろと聞いておりますが、行ってないので知らんぷりします)、これもまた、“着飾らない”ということらしい。





なお、巻末の「Disk Recommend」には、加藤梅造氏による、真野恵里菜元気者で行こう!』“大絶賛”レビュー。
この曲と、スマイレージの『○○ がんばらなくてもええねんで!!』があれば、この不景気の中をなんとかやっていけそう、なんだそうである。
 
 

*1:無事に作詞・レコーディング終了の由。しかも大好きなバラードだそう。http://ameblo.jp/masae-otani/entry-10653402887.html