南アルプス天然少年団

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通りすがりの傍観者の足跡。

八ヶ岳2010夏・1「本沢温泉への道の巻」

↑このタイトル、べつに間違いではございませぬ。
筆者、今年はとうとう夏山に行けなかったので、昨年未完成のままだった八ヶ岳紀行を一年以上ぶりに書き直したもの。
夏山気分を味わってくださいますよう。



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お盆前の金曜日の夕方に突然、月曜日と火曜日の夏休みが決まったので、準備期間がほとんどなく、行ったことのある、“コースのわかっているところ”という選択肢の中から、今回の行き先は、日本最高所の野天風呂のある、八ヶ岳・本沢温泉〜硫黄岳というコースを選んだ。
ただ、お盆なので、混んでいたらやめようと思い、本沢温泉に、
「混んでますかねぇ?」
と、電話してみると、
「日曜日ならすいてますよ」
と、言われたので、さっそく予約。
土曜日準備→日曜出発→月曜帰宅。
でも、電車の方は特急などは完売らしく、鈍行での旅となった。


中央本線でゆき、小淵沢小海線に乗り換える。


小淵沢といえばこれ♪
高原野菜とカツの弁当
ここへ来るとどうしてもこれを買ってしまう。
車内で駅弁を食べていると、その間電車は、ハロヲタの皆さんには吉澤ひとみ「山のせいかな〜?」でおなじみの清里を、
鉄ヲタの皆さんにはJR鉄道最高標高地点(1375m)、さらに、JR線標高最高駅・野辺山駅(1345m)を過ぎて、約一時間ほどで小海駅へ。
駅前から稲子湯ゆきのバス(小海町営バス)に乗る。
約35分、800円也。
車中もすいていて、
(このバスに乗っている人たちが今宵の同宿者になるんだろうな…)
ということがわかる。


ところで、このバス車内で、筆者には小さな奇跡があった。
いつも夏の山行を共にする団長と副長に、
『ちょっと本沢温泉行って来ます』
と、メールをうったところ、まず副長から返信があり、
『昨日までしらびそ小屋に居たんだよ!』
という。
しらびそ小屋というのは、筆者がこれから行こうとするコースの途中にある山小屋。以前『孝太郎プラス』(フジテレビ)で小泉孝太郎氏が訪ねていた。
さらに、団長からは、
『俺、来週、本沢から入って八ヶ岳行くんだよ』
という返信。
驚いたが、暑かった夏、涼しいところへ行って温泉に…というのは誰でも考えそうなことなのかもしれない。


稲子湯に到着。
このあたりですでに標高1500m以上ある(1520m)。
バスを待っている人は多かった。日曜だし、今日でみんな帰るんだろう。



準備をして、12:30出発。

登山道入口。


しばらくは林道と何回も交差しながら樹林帯をゆく。
30分ほどで橋を渡り、そこからは沢沿いの道をゆく。


やがて道は、トロッコ線路跡を進むことになる。

傾斜の少ない、歩きやすい道である。


13:40 こまどり沢に到着。

ジブリ映画に出てきそうな光景。
筆者は勝手にここを“宮崎駿プロデュースの沢”と呼んでいる。



すぐそばは倒木やら切り株やらがあって、
「まぁ、座ってけ」
と誘ってくれる。



「はっても30分」。



ここからはやや急登だが、ほんとに30分ほど。


平坦な道にでると、2分ほどでしらびそ小屋に到着(標高2040m)。


ここはリスさんたちが多数出没するので有名な山小屋。
(リスにまつわる不思議な話もある。長くなるので、何かまたべつの機会に)
以前、筆者が来た時に一匹だけだがお出ましになられた。
昨日まで副長が居たんだなぁ…。



みどり池。
向こうに見えるは稲子岳。
ここは某音大の山岳部がやってきて、池の前でコンサートを行うらしい。



そして、犬――。


ここから本沢温泉までは約一時間。

しばらくは木道をゆく。

倒木。



雷でやられたのだろう。


沢の音が聴こえてくると、広い道に出る。
まもなく本沢温泉。


15:40 本沢温泉(2010m)着。




――つづけ――