南アルプス天然少年団

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通りすがりの傍観者の足跡。

大人の麦茶第十九杯目公演 『B・B〜bumpy buddy〜 』・あらすじ


(公演終了につき、ネタバレあり。物語の結末については触れておりませんが、未見でDVDを楽しみにされている方は読むのにご注意ください。)



深夜にひき逃げ殺人事件が起こる。犯行は確実に被害者を殺せるように、何度も車で轢くという残忍なものだった。
捜査は警視庁捜査一課班長・山城(池田稔)の指揮のもと、特殊犯捜査係の坊屋(夏焼雅)が投入される。坊屋は人に触れた瞬間にその人の意思を読み取る特殊能力を持っていた。
坊屋とコンビを組まされたのは、捜査一課いち始末書の多い猪突猛進型の刑事・馬場(和泉宗兵)。特殊能力があるとはいえ、年端もいかない坊屋と組まされたのが気に入らず、二人は捜査のやり方でことごとく対立する。
現場に最初に駆けつけた明智巡査(岩田有弘)によれば、事件の被害者は遠藤(土屋雄)という男。
事件の唯一の目撃者・森本(宮原将護)の証言では、犯行に使われた車は赤のエスカレード、運転していたのは中年の男性。
遠藤のポケットには「東倉(とうくら)」という男の名刺があり、遠藤は殺害される直前まで東倉と電話していた形跡がある。遠藤が東倉に最後に送ったメールは「もう払う金はない。自首する」。
容疑者となる東倉(中神一保)とは、山城とかつて相棒を組んでいた元刑事だが、在職当時から悪い噂が絶えなかった。退職後はどこで大金をつかんだのか白金の豪邸に娘の静(宮本佳林)と暮らし、妻とは離婚したので家政婦の安莉(須藤茉麻)を雇っている。
東倉の車は赤のエスカレード、しかもバンパーには傷がある。
逃走した東倉は何者かに背中を押され、交通事故に遭う。入院先に見舞いに来たのはなんと森本だった。森本は静の通う塾の教師だった。
一方、遠藤の別れた妻でジャズシンガーの百奈(保田圭)は、遠藤にかけられた多額の生命保険の受取人になっていた。
「遠藤のことはもう愛していない」と語る百奈だが、遠藤が殺害されたことを知ると動揺を隠せない。また、百奈は何かの理由で警察と東倉とを深く憎んでいた。
百奈には熱狂的なファンの川向(並木秀介)という男が居て、百奈の為なら何をしでかすかわからない。
やがて捜査の結果、東倉の住む豪邸も赤のエスカレードも、もともとは遠藤のもので、いずれも何かしらの理由で東倉に奪われたものだということがわかる。
そして数年前に起こった――立てこもり犯の人質となった少女が犯人を振り切って逃げ出すが、直後にエスカレードに轢かれて死んだ――事件が浮かび上がる。
事件を担当した刑事は東倉、その当時のエスカレードの持ち主は遠藤。さらにその後エスカレードに赤の塗装を施したのは、板金塗装を営む川向だったということが判明する。
誰に触れても意思を読み取ることの出来る坊屋だが、唯一心を読み取れないのが東倉家の家政婦・安莉だった。坊屋にはそれが何故だかわからない。
一方馬場は、何故自分が坊屋と組まされたのか?その意味を次第に悟っていく。




――あらすじだけで長くなってしまったので、以下つづけ――