南アルプス天然少年団

南アルプス天然少年団

通りすがりの傍観者の足跡。

RWC2019 日本大会 対アイルランド代表戦(9/28)



周山 慈眼寺


筆者は誰のことだかすぐわかりましたが…。


周山 慈眼寺 – くろみつ大雄尊(明智光秀公墨塗りの黒坐像)の寺
周山慈眼寺は明智光秀ゆかりの禅寺で、「くろみつ大雄尊」と称される光秀の墨塗りの坐像を祀っている(京都市右京区北周山町)。
光秀が築城した周山城のあったところで、城主は明智光忠であったとされる。
明智光忠(次右衛門)という人物は、光秀の親族(従兄弟、もしくは娘婿など諸説あり)で重臣明智五宿老 *1の一人なのだが、光秀と同じような関係にある明智秀満(左馬助)とかぶるのか、光秀関連のドラマや映画などにも登場しない(『麒麟がくる』でも登場はなさそう)ちょっと気の毒な人物である。


ハロプロ!TOKYO散歩』のスタッフさんも…。


中の人、ラグビー好きなのかしらね。


アイルランドとの前哨戦(?)

一方、テレビ観戦の筆者は日本とアイルランドのビールを買って、のんきに「準備万端」とかツイートしていたら…。


試合開始直前、アイルランドの方から「Sláinte!」という返信がきた。
これが英語ではなくアイルランド語なので即座には意味がわからない。
ググってみたら「健康」と翻訳されて「???」。
もうちょっと調べてみたら、アイルランドなどで乾杯の時に使われる言葉だとわかった。
それで日本語で「乾杯!」と返したら、当のアイルランドの方から「いいね」されたのでなんとか会話出来たよう。


試合結果

日本 19-12 アイルランド(プールA)小笠山総合運動公園エコパスタジアム
www.youtube.com
試合詳細|日本 対 アイルランド(プールA)|ラグビーワールドカップ2019日本大会 - スポーツ:朝日新聞デジタル
【ラグビーW杯】 日本が強豪アイルランド相手に衝撃の金星 8強入りに前進 - BBCニュース
ラグビー日本が大金星 アイルランドに19―12 - 一般スポーツ,テニス,バスケット,ラグビー,アメフット,格闘技,陸上:朝日新聞デジタル




1991年と1995年のワールドカップ…。
共に善戦しながら、共に海外のメディアからも「試合内容は日本の方が良かった」とされたのに、敗れたアイルランド戦。
とくに1995年の大会では、大会運営が選ぶ「マン・オブ・ザ・マッチ」 に勝ったアイルランドからではなく、敗れた日本からシナリ・ラトゥー選手(トンガ出身。No8大東大三洋電機)が選出されたのが印象的である。
その両試合をリアルタイムで観ていた身としては感慨深いというか、勝ってしまえばあっけない…というべきか。




――つづけ――
 
 

*1:明智左馬助秀満、明智次右衛門光忠、斎藤内蔵助利三、藤田伝五行政、溝尾庄兵衛茂朝。

映画『ラグビー野郎』後編


ラグビー野郎 : 作品情報 - 映画.com

概要

1976年 東映東映チャンネル 初回放送 2019年9月9日)
監督■清水彰 脚本■鳥居元宏・野波静雄
【出演】
矢吹二朗矢吹二朗 江口文子■いけだももこ 秋月雄平■谷隼人 山路久子■川崎あかね 大石建■南条弘二 金光満■岸部シロー岸部四郎) 平沼■伊吹新吾(伊吹剛) 熊田大五■山本麟一 久保勉■福本清三 水野真弓■小泉洋子 相馬■誠直也 秋月の妻■奈三恭子 矢吹の父■疋田泰盛 レフェリー■高岩淡 大館力男■千葉真一


出演者

主役が矢吹二朗、ヒロインがいけだももこという、共に現在では芸能界を引退しているコンビ。


矢吹二朗氏は千葉真一氏の実弟として知られる。

つまり、真瀬樹里新田真剣佑・眞栄田郷敦姉弟の叔父にあたる。
特撮系のオールドファンには「千葉治郎」名義で出演していた『仮面ライダー』のFBI特命捜査官・滝和也役が有名だろう。
この『ラグビー野郎』で芸名を役名からとって「矢吹二朗」に改名したらしい。
柳生一族の陰謀』の映画版(1978年)では千葉真一演じる柳生十兵衛の弟・左門役(つまり、兄弟で兄弟役)、テレビ版(1978-79年)では十兵衛を助ける「裏柳生」のリーダー・フチカリ役だった。
個人的には、三浦友和主演の『青年の樹』(1977年)の暴力団組長の息子で東大生役が印象深い。
千葉真一氏も友情出演ならぬ“兄弟愛”出演しており、矢吹をラグビー場まで乗せていってやるダンプ運転手。同じ東映の『トラック野郎』シリーズばりの爆走を見せる(もちろん、追ってくるパトカーを尻目に大暴れ)。

甥にあたる眞栄田郷敦氏は『ノーサイド・ゲーム』でラグビー選手役、チームの救世主となる七尾役だった。


ヒロイン・いけだももこ。

活動期間が約5年と短い幻の美人女優。
草刈正雄版の若大将シリーズ『がんばれ!若大将』(1975年)でヒロイン。つまり加山雄三版なら星由里子か酒井和歌子がやった役。
ほかに、テレビ『江戸を斬るⅡ』(1975-76年。主演・西郷輝彦)、映画『青春の構図』(1976年。主演・岡田奈々)などに出演。
『がんばれ!若大将』はアメリカンフットボールの話だし、『青春の構図』はバスケットボール部のコーチ役だった。スポーツドラマに縁のある人でもある。
寺内貫太郎一家』(1874年。主演・小林亜星)では当時アイドルとして人気絶頂だった西城秀樹の恋人役で、当時秀樹ファンの嫉妬(憎悪?)をかなり買ったらしい。それを意識してか、インタビューで「西城さんは好みのタイプじゃない」とか発言してしまって、今だったら炎上キャラだったのかもしれない(笑)
この『ラグビー野郎』が芸能生活最後の仕事だったらしい。こののち、六本木のろばた焼き「田舎屋」の社長と結婚し引退。まだ22歳だった。

(そりゃまぁ、矢吹も一目惚れしますわな…)


ライバル・相馬役の誠直也氏は元ラグビー選手。
刑事役などでおなじみの人だが、ラグビーのキャリアは半端なものではなく、福岡電波高等学校時代にラグビー部主将(ポジションはセンター)として全国大会で優勝というからすごい*1
試合の場面でドロップゴールを決める場面は堂に入ったものであった。

矢吹を誘惑する久子役は川崎あかね殿。
若い頃は現代劇でも時代劇でもセクシーな役が多かった人(しかもナイスバディ)。
大岡越前』(加藤剛主演)の和田浩治演じる同心・風間駿介を主役に据えたスピンオフドラマ『八丁堀暴れ軍団』(1979年)ではヒロイン役だった。
最近でも時折、時代劇の上品なおばあちゃま役でお見かけする。
北大路欣也版の『剣客商売』(2014年)で、秋山大治郎(斎藤工)がやくざ者に絡まれているところを助けるお嬢様のお付きのばあや役で出演していた。


東映脇役陣も多数出演。
矢吹の父役の疋田泰盛氏は東映時代劇の脇役常連。『大岡越前』などは毎回違う役でほとんど準レギュラーだったのではないか。

「5万回斬られた男」こと、福本清三氏(↑左から2番目)もラグビー部OBのコーチ役で登場。時代劇の方では最近でも『BLACKFOX: Age of the Ninja』(矢島舞美出演)で健在ぶりを見せつけられたが、現代劇出演作はなかなか貴重。
なお、レフェリー役の高岩淡氏というのは、東映のプロデューサー(のち社長、会長を歴任)。ラグビー経験者だったのかな?


あらすじ・後編(結末まで含まれているので要注意)


シーズンが開幕し、洛西大は快進撃を続けた。ようやく反省した矢吹(矢吹二朗)は秋月監督(谷隼人)に許しを乞う。初めは拒絶した秋月だったが、雨の中でも秋月の家の前に現れる矢吹の姿を見て再入部を認めた。
チームに怪我人が出たため、フランカーに大石(南条弘二)が抜擢され、矢吹もレギュラーに復帰、同時にキッカーを任される。高校以来のキック練習にいそしむ矢吹を文子(いけだももこ)が見守っていた。
東南大との決戦を前に、矢吹は父が危篤状態にあることを熊田(山本麟一)に告げられ、帰郷するように説得される。
帰郷した矢吹は持ち直した父(疋田泰盛)に試合に戻るよう言われ、試合会場に向かおうとするが、事故で列車が不通になってしまう。矢吹は通りがかったダンプカーにヒッチハイクを頼む。運転手の大館(千葉真一)は事情を知って快く引受け、矢吹は試合開始直前に間に合った。
スタンドで文子、久子(川崎あかね)が見守るなか、試合開始。矢吹の家族もラジオに耳を傾け、大館もカーラジオで試合中継に聴き入っている。

前半、相馬(誠直也)の活躍で東南大がリード、洛西大も矢吹のトライで差を詰める。
後半、先に東南大がトライ。矢吹は相手のタックルで一時倒れるが試合に復帰。大石らFW陣が踏ん張りスクラムトライで追撃。その後は一進一退の攻防が続くが、試合終了直前、秋月が練っていた作戦が見事成功して大石がゴールラインに飛び込み、一点差に迫る。矢吹がゴールキックを決めて逆転、洛西大が優勝を決める。




――映画『ラグビー野郎』、了――
 
 

*1:勝戦で膝と半月板を損傷してラグビーを諦めたらしい

映画『ラグビー野郎』前編


ラグビー野郎 : 作品情報 - 映画.com

概要

1976年 東映東映チャンネル 初回放送 2019年9月9日)
監督■清水彰 脚本■鳥居元宏・野波静雄
【出演】
矢吹二朗矢吹二朗 江口文子■いけだももこ 秋月雄平■谷隼人 山路久子■川崎あかね 大石建■南条弘二 金光満■岸部シロー岸部四郎) 平沼■伊吹新吾(伊吹剛) 熊田大五■山本麟一 久保勉■福本清三 水野真弓■小泉洋子 相馬■誠直也 秋月の妻■奈三恭子 矢吹の父■疋田泰盛 レフェリー■高岩淡 大館力男■千葉真一


あらすじ・前編


関西大学ラグビーリーグ・洛西大対東南学院大の一戦は大差で東南大が勝利し優勝。敗れた洛西大の坂上監督は辞任し、新監督に日本代表を引退した秋月(谷隼人)が就任、新キャプテンに平沼(伊吹新吾。現・伊吹剛)を指名する。OBの熊田(山本麟一)らをコーチ役にその日から猛練習が開始された。レギュラー入りを狙う大石(南条弘二)ら二軍選手たち、その中には高校日本代表だった矢吹(矢吹二朗)も居た。
学生金融をやっている金光(岸部シロー。現・岸部四郎)が、下宿代を浮かせようと合宿所にもぐりこむために入部してくるが、一晩で逃げ出すことになる。

ある朝ランニングしていた矢吹は、同じ大学のテニス部の江口文子(いけだももこ)を見かけて一目惚れしてしまう。
矢吹は練習中にわざとボールをテニス部のほうに転がして文子に話しかけ、デートに誘うことに成功するが、スポーツ選手好きの山路久子(川崎あかね)を連れた東南大の相馬(誠直也)に挑発される。

八月の菅平合宿では、あまりの激しい練習に平沼をはじめ部員たちは反抗するが、秋月の熱意に心を打たれて猛練習を再開。
東南大との練習試合にウィングに起用された矢吹だったが、個人プレーに走り、対面の相馬にもあしらわれて敗退。試合後、熊田に殴られた矢吹は合宿所から逃げ出し、久子のもとに転がり込む。

平沼にラグビー部を除名されたことを告げられ、久子はこれまでにも有望なスポーツ選手をダメにしてきた女であることを教えられる。大石には部に戻るように説得されるが、矢吹は断る。
(「あらすじ・後編」は結末まで含まれているので後述)


雑記


この映画、存在は知っていて、観たかった作品なのだが、ソフト化もされていない様子で半ば諦めていた。
それが、ラグビーワールドカップのおかげで東映チャンネルさんがどこかの倉庫から引っ張り出して(?)きてくれた。テレビ初放送とのこと。
製作されたのは大学ラグビーが爆発的な人気となる前夜の時期といったところだろうか(「貴公子」と呼ばれて女性客増大に貢献した本城和彦選手の早稲田大学入学が1979年)。
ストーリー的には、挫折があって再起があって、猛練習があって必殺の作戦があって…という、よくあるスポーツものといった印象だが、鉄板なので観ていて飽きることはない。
サイドストーリー的にキャプテンが次第に成長してチームをまとめていく過程や、二軍からレギュラーに這い上がっていく大石のエピソードが入っているのがいい。

ラグビーの試合シーンは本格的で迫力がある。
出演者のクレジットに「全国応募ラグビー野郎」というのが30人ほど含まれている。当時募集して、これらの人々が試合シーンの軸になったのだろう。
テレビドラマ『ノーサイド・ゲーム』でもそうだったが、ラグビーは危険が伴うスポーツなので試合シーンは経験者に頼るのがいい。
ちなみにこの頃はトライがまだ4点の時代である(現在のように5点になったのは1993年から)。


監督は清水彰氏。
同姓同名の俳優が居てややこしい。
仁義なき戦い』などの助監督を務めたあと、1974年の『学生やくざ』というのが初監督で、この作品が二作目のよう。
しかし、その後は『真田幸村の謀略』『鬼龍院花子の生涯』『極道の妻たち』等でまた助監督に戻っている。




――つづけ――