南アルプス天然少年団

南アルプス天然少年団

通りすがりの傍観者の足跡。

那須2

captain-tanzawa2008-01-23

那須(1999.09.02〜03)

今回の目標は那須山中の秘湯・三斗小屋温泉である。
筆者は那須は小学校の林間学校以来で、茶臼岳に登ったことがある。


那須といえば那須与一である。
屋島の合戦。平家方の舟に扇を持った女性が立ち「この扇を射てみよ」と挑発。波で的が揺れる中、与一が見事扇を射抜いた。
滝沢秀明主演の大河ドラマ義経』では今井翼が演じており、このドラマでは扇を持っていたのが義経の異父妹の能子(後藤真希)という設定となっていた。
与一は初め余一。十一男だった為だが、のち与一と改名。諱は宗高。兄たちが平家方に付いたが与一のみ源氏方に付いた為兄たちが没落したあとその所領を相続出来た。
与一の子孫は続き、戦国期も生き残り、江戸期に大名に列っせられた(一万四千石)。
なお筆者の知人に与一が西国で遺した子の子孫という人がいるが、真偽はともかく、那須姓は西日本にも多い。幕末の土佐藩那須信吾(土佐勤王党吉田東洋を暗殺し脱藩。天誅組の乱で戦死)という人物がいる。




さて『LOVEマシーン』発売直前の晩夏…。



第一日(1999.09.02)

新宿駅西口7:00集合。参加者:団長、副長、丹沢。
JRで上野駅を経て黒磯駅へ向かう。黒磯には11:00に着いた。
黒磯といえば、後日のことになるが、とあるライブ会場にて「後藤真希コンサート黒磯市民会館」のチラシを持った二人が、
「黒磯ってどこだよ?」
「磯って付くから海の方だよ。きっと神奈川だ」
という会話をしていた…。まぁ、大磯とかあるからね。


さて我々は駅前のラーメン屋にて昼食をとり、12:00発のバスで那須岳山麓駅へ。所要約一時間。
那須岳ロープウェイで山頂駅へ(1690m)。
山頂駅といっても山頂にあるわけではなく、標高にして、まだ200mほど登らなければならない。体を折って歩くほどの急坂で、腰が痛くなりそうだった。
やがて火山礫を経て30分ほどで茶臼岳(1915m)山頂に着く。小さな祠がある。あいにくガスで展望なし。


山頂から下り、あちこち散策した。活火山なのでいたるところから噴煙が立ち上り、硫黄の匂いが漂っている。
山頂から北の方角、峰の茶屋跡へ。避難小屋があり休憩出来る。昔は茶屋があったらしい。
このあたりは皇太子殿下が雅子さま那須へ登山…なんてニュース映像で見たことがあるぞ。
三斗小屋へはここから下ってもよいのだが、我々は寄り道して朝日岳を目指す。
剣ガ峰。痩せた岩稜が続きこのコース唯一の難所である鎖場がある。
団長「三点確保で」
つまり手足の四点のうち三点はつねに鎖や岩、足場をとらえ、残り一点を動かして前進する。『ハロモニ@』のクライミング挑戦でやってましたな。


朝日岳西肩から朝日岳(1896m)へ。小雨があり合羽を羽織る。山頂はやはりガスっていて展望はなし。この日は展望は諦めである。
来た道を戻り朝日岳西肩から稜線を行き、熊見曽根(1880m)へ。
雨は止んだが、時々道に動物のフンがある。熊じゃないだろな…。
隠居倉(1819m)からは急激な下りになる。
途中、源泉があるが、これはべつにどうということはない。
ちなみにこの下りで筆者は左膝を痛めた。少し滑ったところに体重がかかってしまったのだ。「あっ」と声をあげたがたいしたことはない。しかしこれが後々の山行にて苦労する羽目になるのだが、それはまた別の話。
ずっと下って行くと、三斗小屋温泉の煙草屋旅館の裏手に着く。17:00。


三斗小屋温泉の歴史は古く、開湯は康治元年(1142)というから平安時代である。
旅館は大黒屋旅館と煙草屋旅館の二軒あり、我々が泊まったのは煙草屋旅館。ここは露天風呂がある。
なお大黒屋旅館の方はNHKで深夜穴埋め的にやっている『四季 那須連山』という番組で見られるので興味ある方はどうぞ。


早速露天風呂に入る。
露天風呂は宿から少し離れた処にあり、サンダルで2〜3分歩く。
標高高い場所(1460m)にある為会津の山々を眺めながら入浴出来る。体が硬くなっていたのが湯に溶けるようで、なるほどお湯をかけられた時のカップヌードルとはこういうものかと思う。
18:00夕食。我々は遅く着いた為大広間でなく、部屋で夕食をとることになった。
腹が減っていたのでガツガツと食う。
夜、内風呂にも入る。
ところで登山道のフンである。宿の人に聞くと猿だろうと言う。
「熊はそんな時間には出ないよ」。
もっと朝早くとからしい。


21:00に消灯となりランプが灯る。
消灯後、団長がもう一度露天風呂に入ると言い出したのでヘッドランプを付けて一人部屋を出て行った。真っ暗な中、ヘッドランプの灯りが徐々に遠ざかって行く。
やがて団長は本懐を遂げ、無事に帰って来たのだが、今度は怪しげな灯りが部屋の障子にだんだんと近づいて来ることになった。まるで宇宙人来襲である。
22:00に就寝。
(つづけ)




なお、昨日のid:YS11-583氏のコメントに関連して。
栃木県は旧国名でいうと下野(しもつけ)ですが、上代、群馬と栃木一帯を毛野(けの。もしくはけぬ)といったのが上毛野(かみつけの。群馬)と下毛野(しもつけの。栃木)に別れ、さらに、
上毛野(かみつけの)→上野(こうずけ)
下毛野(しもつけの)→下野(しもつけ)
となったわけで…。


なんで東野は「とうの」じゃなくて「とうや」なんだよぉぉぉ!?


…と思ったのだが、よくよく考えてみれば、東武も東の武蔵なのに「とうむ」じゃなくて「とうぶ」だからべつにいいのだった。