南アルプス天然少年団

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通りすがりの傍観者の足跡。

『メロン記念日物語』まとめの前置きとして


この『メロン記念日物語〜Decade of MELON KINEN-BI〜』という作品は、本人が本人役を演じていたり、かと思えば途中で役が入れ替わったり、一人の役者が複数の役を演じていたり、実話が基になっているエピソードがあったり、実在の人物が出てきたり、劇中劇があったり、劇中にトークの部分があったりするという、ちょっと特殊な芝居なので、初めに芝居の構成から説明してしまおうと思う。



従って、ネタバレの部分が多分にあるので、未見でDVDを楽しみにしておられる方々は以下の文章を読まないか、読んでも斜め読みしていただきたい。



時は西暦2020年、メロン記念日解散からちょうど10年後。
とあるラジオ番組に、メロン記念日の曲がリクエストされる。
ヲタもだち”と名乗るそのリクエスト主は、偶然にもメロン記念日の元メンバーが久しぶりに四人揃って会食している場に居合わせたのだという。
この“ヲタもだち”の投稿をきっかけに、メロン記念日に興味を持った番組パーソナリティーは、「メロン記念日物語」という特集を組み、メロン記念日の10年間にわたる歩みをひもといていく…。



以降、物語はメロン記念日の楽曲にのせて、
再会した10年後のメンバーの回想、
その様子を見ている“ヲタもだち”からの番組への投稿と解説、
メロン記念日をうろ覚えで知っている番組パーソナリティーと、リアルタイムではメロン記念日を知らないアシスタントの解釈と補足説明とツッコミによって物語が進行していく。



といっても、10年間を一時間半でやるのは当然ながら無理で、メロン記念日にとってターニングポイントだったり節目だったりした、
This is 運命
赤いフリージア
お願い魅惑のターゲット
の三曲の時期に、多くの時間が割かれている。



メロンのメンバー四人は基本的に本人たちが演じているが、『赤いフリージア』テレビ収録の場面のみ、散歩道楽+『かば』組による偽メロン記念日が登場。これ、役名こそ“偽メロン記念日”であるが、芝居上はあくまでも“本物の”メロン記念日として進行する。
その場面、“正真正銘の”メロンメンバーは、メロン記念日に好意を持つスタジオ清掃員役として登場。
そこで彼女たちはメロン記念日について語り合うのだが、例えば村田めぐみ殿演ずる清掃員が「メロン記念日村田めぐみ」の心情について推測したり解説したりする(即ち当時の実際の心情)などという趣向。
さらにそこへ、日替わり出演のBerryz工房メンバーが、地方から来たメロン記念日ファンの修学旅行生として登場、“本物の”メロン記念日に会おうとするが会えず、清掃員たちに、「メロン記念日のどこが好きなの?」などを質問される。
(↑この場面がトークコーナーになっている)
ちなみに客席にテレビカメラがある設定になっており、Berryz工房メンバーは出番が終わるとカメラ(即ち客席)に向かって手を振って去るというサービスも。



芝居の後半には「舞台にも進出したメロン記念日」ということで、架空の芝居『かば4』の稽古風景が繰り広げられ、ここでは演出家役の岩崎亮氏、音響役の並木秀介氏以外の共演者も自身の役を演じている。



さらに芝居終盤には、時間軸が遡り、デビューのきっかけとなったオーディション直前の四人それぞれの故郷での姿が再現される。



カーテンコール後には出演者全員によるアフタートークがあり、主に芝居中の実話を基にデフォルメされたエピソードやセリフについて、共演者がその真相を尋ね、メロン記念日メンバーが当時の実際の話や心境を語るといったコーナーになっている。