上映が昨日までということで、観に行ったわけである。
(『ファイティングオカン』も観たかったんだけど、忘れてた…)
(以下、上映終了につき、ネタバレあり。未見でDVDを楽しみにされている方は読まないか、読んでも斜め読みしてください)
配役
役名 | 設定 | 演者 |
---|---|---|
風間亮 | 『ロシュフォール』新米編集部員 | 斉藤祥太 |
中村友貴子 | 『ロシュフォール』編集部・フードライター | 飯田圭織 |
佐伯小夜 | 『ロシュフォール』モデル。亮の同級生 | 山本博子 |
高橋一郎 | 『ロシュフォール』編集部員 | 白石朋也 |
橋本修 | 『ロシュフォール』編集長 | 大塚公祐(新人) |
平山 | 『ロシュフォール』編集部員 | 菊池勇輝(新人) |
武田百合 | 『ロシュフォール』編集部員 | 佐々木由希子(新人) |
鈴木光子 | 『ロシュフォール』編集部員 | 高木英理香(新人) |
中上岬 | 『ロシュフォール』モデル | 宇恵さやか |
浅倉幹久 | 若手料理人 | 大崎崇生(新人) |
西園寺大膳 | 浅倉の師匠 | 遠藤憲一 |
馬場日出男(ママ) | 亮や友貴子の料理の師匠 | クリス松村 |
あらすじ
ファッション雑誌『ロシュフォール』の新米編集部員・風間亮(斉藤祥太)は、撮影で使う衣装やアクセサリーを大急ぎで編集部に運ぶ途中、道で人とぶつかってしまう。ぶつかった相手は高校の同級生・佐伯小夜(山本博子)だった。小夜は『ロシュフォール』のモデルをしていたのだった。ぶつかったはずみでアクセサリーをなくしてしまった亮だが、先輩の中村友貴子(飯田圭織)が見つけてくれる。
『ロシュフォール』は“イケメン料理人”として若手料理人の浅倉(大崎崇生)を取材するが、小夜の行儀が悪く、浅倉の師匠・西園寺(遠藤憲一)を立腹させてしまう。その場をとりなした浅倉に小夜は魅かれ、浅倉の店に通うように。
ある日、亮は撮影の衣装をダメにしてしまい、給料から天引きされるはめになる。困窮した亮に友貴子は自炊を薦め、自らの料理の師匠でもあるママ(クリス松村)を紹介する。ママの指導もあって、亮は料理の腕が上達していく。その後、友貴子が記事の穴埋めに亮の弁当を取り上げたことから、亮はマスコミに「弁当男子」としてもてはやされることになる。
高校時代から料理下手の小夜は、浅倉に料理を習うようになるが、西園寺に「一流の料理人になる浅倉に料理が出来ない女が近づいてもらっては困る」と釘をさされる。
一方亮も、浅倉が編集部に届けた差し入れの弁当に仲間たちが飛びつくのを見て、敗北感を味わうのだった。
やがて西園寺は、亮を取り上げた記事の写真に映っていた包丁から、亮の師匠が誰であるかを悟る。
西園寺とママは、かつて料理の名門・裏四条流宗家の跡目を争った間柄で、その勝負は、争いを嫌ったママが行方をくらましたためにおあずけとなっていたのだ。
西園寺はママに勝負を申し込み、互いの弟子、浅倉と亮との対決をもって決着をつけようとする。
小夜や友貴子の心配をよそに、亮はママの特訓を受け、対決に臨むのだった。
感想
ストーリーの流れは悪くないんだけど、構成がややいびつなように感じられる。
亮が自炊に目覚めるまでが冗長で、ママの簡単なアドバイスを受けて弁当を作り始めてから「弁当男子」としてもてはやされるようになるのが急展開過ぎる。
笑いの部分と真剣な部分のバランスがよくない。
“落下流水”とか、料理の秘技なんか面白いんだけど、真面目な場面のすぐあとに出てくるんで、ここは笑うところなのか?…などとリアクションに困るのだ。
また、タイトルの「恋する」というのがあまり活きていない。
小夜の気持ちは複雑で、友貴子もどうやら亮のことが気になっている様子なのだが、肝心の亮にはあまりそういうところがない。
ヒロインの魅力が今ひとつ伝わってこない。
回想シーンの高校生時代は面白くて魅力的なのに何でだろう?
但し、この高校時代の回想シーン、そもそもこんなに多くする必要があったのか?という疑問もわく。
なお、西園寺とママの修業時代の回想シーンは、二人の対比を描く上でいいスパイスになっている。
ママの若かりし頃が美少年過ぎる(失礼)…というむきもおられようが、以前の大谷雅恵トークライブにて、エハラマサヒロ氏が発言していた「クリスさんはシワは多いけど肌はキレイ」というのを聞いているので、なんとか(笑)納得出来る。
キャスト表を見ていただければおわかりのように新人を多く起用しており、これがこの製作プロダクションの特徴なんだろう。
しかし、とりたてて演技が拙いという部分は見られない。
そんななかに、「宇恵さやか」…?
聞いたことある名前だし、顔もなんとなく見たことがあるけど誰だっけ?…と思ったら、“元・ニ代目パイレーツ”とのこと。
あ〜、なんとなく思い出した…。
主演は斉藤祥太氏。
役の黒ぶちメガネのせいか、某チャラ男芸人さんにそっくりに。
現在は舞台『真田十勇士』の稽古中。映画でモーニング娘。元リーダーと共演したあとは、舞台で現リーダー:新垣里沙殿と共演。
偶然にも筆者が鑑賞した昨日がお誕生日だったようですな。
http://blog.oricon.co.jp/niigakirisa/archive/2115/0
おめでとうございます。
飯田圭織殿は亮の先輩、フードライター役。
かつてシニアグラフィティ時代に大森ヒロシ氏が「飯田さんにキャリアウーマン役を演らせてみたかった」と言っておられたが*1、妙なところで実現。
出番は少ないんだろうな…と思ったら、結構出ずっぱり。
亮に自炊を勧めるのも友貴子だし、「弁当男子」として注目されるきっかけを作るのも友貴子、後半の肝につながることになるママを紹介するのも友貴子。
いわば物語の展開を作る役。
予想以上に安定した演技を見せていた。
ハロー!系、演技面で今いちばん成長しているのは、実はこの人かもしれない。
映像的には、ローコスト作品、映画用の35mmフィルムで撮られた作品ではなく、それをデジタル上映。
ということはつまり、DVDをプロジェクターで上映するようなものだから…、と、画質については事前にある程度覚悟はしていた。
ところが、本編の上映前に『恋谷橋』(上原多香子主演、中澤裕子共演)の予告編が流れるのだが、これが驚くほど酷い画質(まるで何度もダビングしたビデオテープ)で、
こんなに酷いのか…。
と、改めて興ざめ。
本編の方はそれよりはマシな画質ではあったので少し安心したものの、映画ならではの光と影に満ちたものは望むべくもなく、やはり映画館で観るよりも家庭でDVDかなんかで観る方が適している。
(たぶん『恋谷橋』も、本編上映時はもう少しマシな画質なんだと思うが…)
それでも、さすがに食べ物や料理を扱った作品だけに、見終わったあと、お腹がすいた。
飯田圭織出演映画としては『五重塔』があるが、あの作品も見終わったあと無性にピザが食べたくなった*2ものだが、今回は無性にお茶漬けが食べたくなった(笑)
パンフレットは『ファイティングオカン』との両A面。
これを見るとわかるのだが、両作品とも男女メインの役名が「風間亮」と「佐伯小夜」。
これ、なんかこだわりがあるんだろうか?