南アルプス天然少年団

南アルプス天然少年団

通りすがりの傍観者の足跡。

たまにはかぶいてみた

本日は、某歌舞伎関連企業にお勤めのO氏のご好意により、歌舞伎座にて歌舞伎を観劇して参りました。
歌舞伎観劇は筆者、高校生以来のことで、歌舞伎座は初めて。
筋書(1200円也)を読み、イヤホンガイド(650円也)を借りて、完全装備で観劇に臨みました。


演目は、


春の寿
 三番叟(さんばそう)
 萬歳
 屋敷娘
一谷嫩(いちのたにふたば)軍記
 陣門・組打
女伊達
廓文章
 吉田屋


…でした。


なにぶん筆者、歌舞伎に関しては素人に毛の生えた程度でして、その「生えた毛」の部分しかご説明出来ないわけであります。
(しかもそのうち何本かは、本日新たに生えた毛…)


『春の寿』は春を祝う、お目出度い舞踊三題。
『屋敷娘』のお春は片岡孝太郎…。ああ、スピルバーグ監督『太陽の帝国』の航空少年兵だ…!


『一谷嫩(←この字を変換するのにえらい苦労した)軍記』は、「平家物語」などでおなじみの、源平・一の谷の合戦の熊谷直実平敦盛の故事を大胆に脚色したもので、市川団十郎の直実に坂田藤十郎の敦盛。
偶然にも一昨日、舞台となる須磨について書かれた文章を読んでいて、
「あ〜、ここ昔行ったなぁ…。平敦盛の墓、あったなぁ…」
などと思っていた奇縁。
江戸歌舞伎団十郎上方歌舞伎藤十郎との東京初共演、との貴重な舞台です。


『女伊達』は恋と喧嘩の所作&長唄舞踊。…早い話がミュージカルアクション。
尾上菊五郎(元祖・義経だ!)の木崎のお秀。


例のイヤホンガイドですが、大変解りやすく楽しめました。
あらすじくらいはなんとかわかるものの、踊りの意味や衣装、舞台の解説、「ここが見せ場です」みたく、タイミング良く説明してくれるので助かります。


個人的には、伝説の太夫・夕霧と、彼女のもとに通い過ぎて親に勘当された豪商の若旦那・伊左衛門とのコミカルな恋物語・『吉田屋』が面白かったな〜。
伊左衛門の片岡仁左衛門夕霧太夫中村福助太鼓持ち片岡愛之助(『続・新選組!』の榎本武揚だ…!)、吉田屋喜左衛門が市川左団次(『義経』の金売り吉次だ…!)。


夕霧は若くして世を去った実在の名妓で、
「今のアイドル並の人気だった」(イヤホンガイド)
とか…。
ということは、伊左衛門は今ならさしずめ、ライブやらディナーショーやらFCツアーやらに通い過ぎて…(以下略)


あとは、『一谷〜』のお馬さんたち(もちろん中身は人)の名演技…!
お疲れさまでした。


歌舞伎座の中は食事場所や売店が充実していて、売店では中村勘三郎坂東玉三郎中村獅童といった方々のソロ手ぬぐい(ソロなのは当たり前か…)などのグッズ類が売られております。


ともあれO氏には貴重な経験を賜り、ありがとうございました。
この場をお借りして、御礼申し上げるものであります。