南アルプス天然少年団

南アルプス天然少年団

通りすがりの傍観者の足跡。

【留守録風雲録特別編】『いい旅・夢気分』中澤裕子 丹沢大山登山を検証する・上

大山概念

二ノ塔山頂付近より大山をのぞむ。

(2008年秋、筆者撮影)



丹沢山塊は、古くから修験道の盛んなところで(行者岳という名の山もある)、その中でも大山(標高1251.7m)は山伏たちの本拠地であった。
開山は奈良時代後期の天平勝宝年間(749〜757年)と伝えられている。
山頂の大岩の上には阿夫利(あふり)神社の本社が建ち、中腹には下社(しもしゃ)が、さらにその下には大山寺がある信仰の山である。


江戸時代には、いわゆる『大山詣り』が流行し、落語の演目にもなっている。
ちょうどNHK芸能花舞台』で大山特集があり(7月11日放送)、地元神奈川県出身の柳家三三師匠の『大山詣り』をやっていた。


落語「大山詣り」の舞台を歩く


ちなみに江戸時代までは、現在の下社(当時は大山寺もここにあった)より上は女人禁制であった。
大山詣りに行く」というのは、江戸の男たちの一種の口実で、実際には行き帰り(当時、江戸〜大山〜江戸は3泊4日の日程だったようである)に酒を飲んだり博打をしたりのレジャーだったらしい。



大山に登るルートはいくつかあって、簡単に大きく分けると、小田急線の本厚木(広沢寺温泉コース)から、伊勢原日向薬師コース、大山ケーブルコース)から、秦野(蓑毛コース、ヤビツ峠コース)から、といったコースがある。
昨年5月、筆者は秦野駅からバスで簑毛に行き、そこから登るコースをとった。
http://d.hatena.ne.jp/captain-tanzawa/20090524#1243175493
参拝客が多い為、全般的に登山道はよく整備されていて、初心者にも登りやすい山である。




伊勢原駅

いい旅・夢気分』(テレビ東京 6月16日放送)
「人気の山歩きと信玄の隠し湯 丹沢大山」
【出演】田中律子中澤裕子

スタートは小田急伊勢原駅


なお、田中律子中澤裕子ご両人の登山は6月5・6日。
田中律子殿ブログによれば、5日にケーブルカーで阿夫利神社下社まで行ったものの、天候不良により断念。翌6日に再アタックしたらしい)
田中律子・1 田中律子・2 田中律子・3
中澤裕子・1 中澤裕子・2 中澤裕子・3 中澤裕子・4 中澤裕子・5
筆者のは7月18日である。



伊勢原といえば、ハロヲタ的には伊勢原市民文化会館だろうか?



過去にメロン記念日(2003年。『1st Anniversary』)と安倍なつみ殿(2005年。『ふれあいコンサート』。保田圭℃-ute出演)がコンサートをやっている。
メロン記念日の時はツアー初日(追加公演)で、まだアルバムの発売日前だったから、『ANNIVERSARY』も『ENDLESS YOUTH』も筆者はあそこで初めて聴いたのだった。
メロン記念日単独としては、初のホールコンサートであった。
近くにJAがあって、ヲタさんたちが大勢集まっているのに驚いたのか、人生の諸先輩方が集まり、
めろんきねんび?」
めろんきねんびだって…」
めろんきねんびなのかい?」
…などと口々に話していたのが思い出される。




駅からいちばん近いバス停が大山行きである(神奈川中央交通大山ケーブル駅ゆき)。



車内、初登山に向けて、不安そうな表情を見せる中澤殿。


↑カラ元気。


なお、中澤殿らと同乗した客は、みな大山登山組だったようだが、このバスは路線バスであるので、生活に使っている人もおり、もちろん途中から乗ってくる人もいれば、途中で降りる人もいる。
番組撮影日は平日であるが、それでもこの程度の乗客率で、筆者が行ったのは日曜日であったので、バスは通勤ラッシュ並みの混雑であった。
また、神奈中バスといえば、伊勢原の先、秦野まで行くと、車内でポッキーやらのお菓子を売っていたりして、
(ああ、ハイキング用のバスなんだなぁ…)
などと思ったりするのだが、伊勢原だと売っていない。
管轄が違うのだろうか?
そういえば、秦野は伊勢原に比べて、PASMOの導入が遅かった気がする。


運転手氏を誘う中澤殿。




参道


バスを降り、しばらく坂を上ると、こま参道。





大山は丹沢水系の水を使った豆腐と、こまに代表される木工品が特産である。
ちなみに筆者は、ここで買った木製のスプーンを登山の際に愛用している。
左右には、豆腐料理を食べさせてくれる旅館やみやげ物屋が並ぶ。




大山ケーブル


ケーブルカーは、赤と緑の車両が交互にやってくる。
ようするにこの二つの車両はケーブルでつながっているわけで、であるから、途中の大山寺駅ですれ違うわけである。
高低差278mを所要6分。

(今年正月撮影)
(今年正月撮影)

(昨年5月撮影)
(今年正月撮影)

車内にはエアコンなんてそんなもんはついてないので蒸し暑い。しかし、中腹までくるともう涼しい。
なお、ここまで来られる方は、丹沢・大山フリーパス(Aきっぷ)がお得ですのだ。




阿夫利神社下社


ケーブル駅を降りて、階段を上ると、阿夫利神社下社(山頂に本社がある)。
「阿夫利(あふり)」というのは「雨降り」が変化したものという説があり、古くは雨乞いの神であったらしい。
他に、商売繁盛、豊作祈願、無病息災などに霊験あらたかとされ、また山の形がピラミッド型の為、航海の目当てにされ、航海の神ともされた。
また、人生の諸先輩方の、いわゆるボケ防止の神としてもご利益があるとされ、先に筆者はそのお守りを買って、隙をうかがって両親の部屋にこっそり隠してある、というのはここだけの話である。








名水


大山名水は、下社の向かって右手に入口がある。



↑下社で売っているボトルに水を汲む中澤殿。



中澤裕子安倍なつみグッズ*1のボトルに水を汲むハロヲタ(昨年5月)。




さあ、いよいよ登山――。





――つづけ――
 
 

*1:2007年12月『愛の種』5万枚完売10周年記念イベントの際のもの。