南アルプス天然少年団

南アルプス天然少年団

通りすがりの傍観者の足跡。

雨飾山・第二日新潟編

第二日(つづき)

雨飾山山頂に居た。


食後のコーヒーを飲んでいると、やがてガスが冷たい風をともなって上がってきた。展望は次第に悪くなる。
12:00出発。




笹平まで戻り、新潟側へ降りる。
すると、
「ああっ…!」
と一同驚きの声をあげてしまった。
新潟側の登山道は一面の雪だったのである。
しかし雪はそれほど滑らなかった。
雪の道を脱してからがむしろ大変で、ガレ場の急坂であった。
浮き石も多く、危険でもある。


こういう場合、浮き石かそうでない石かを瞬時に判断出来るのが山の才能らしいのだが、残念ながら筆者にはそんな才能はない。
先頭を行く副長にはどうやらそんな才能があるらしく、石の上をひょいひょいと進む。
筆者の後ろの団長は、筆者が振り返る余裕もない為よくわからないが、筆者よりはましであろう。


ところが後ろで団長が転ぶ音がした。
あっ、と振り返った瞬間に筆者も転び、しかもその際浮石を蹴ってしまった。
転がって来たその石をよけようとした副長も転ぶ…。
見事な連携プレーであった。




やがて中ノ池という沼のような小さな池に出た。ここで一服。
ここからもハシゴを降りたりして急坂であった。
一体何度転んだことだろう。




ようやく梶山薬師に出て、そのお堂の横から雨飾温泉に着く。14:00。
「とりあえず、一服しよう…」
ということになり、雨飾山荘の庭でコーヒーを沸かした。




雨飾温泉は旧名を梶山新湯(もっと古くは鍜治山)という。これは山田旅館の仲居どのが教えてくれた。
雨飾山荘は三角屋根の木造二階立てで収容100人、客室はグループごとに泊まれる全館個室である。
風呂は「都忘れの湯」という名の露天風呂と内風呂がある。
露天風呂は山荘の庭、登山道から覗けるような位置にあった。


早速「都忘れ」に入った。雨飾山をはじめ、山々が見える。途中、何人かの登山者にうらやましそうに覗かれた。




風呂からあがり、山荘に入って部屋でビールを飲んでいると雨が降って来た。


山田旅館の皆さんありがとう。


17:00夕食。ご飯を何度もおかわりをして、たらふく食べた。たいていの山小屋はご飯と汁物はおかわり自由なのである。


しかし、階段の上り下りが苦しい。
相当脚、それも太腿の部分にダメージがきているのがわかる。
「これ明日、松本城…」
副長が不安そうに呟いた。




城は階段が多い…。




夕食後、副長は早々と布団を敷き、18:30頃にはもう寝てしまった。


団長と筆者とは談話室で缶ビール片手に一服しながら(部屋は禁煙である)置いてある山の本や地図を見ていたが、やがて部屋に戻った。
外の雨は強く、副長は熟睡している。
ちなみに消灯は21:00である。
布団を敷いてしばらく団長と話していたが、団長も20:00頃には眠りに入り、筆者も20:30頃には寝てしまった。




結局三人とも消灯時間までは持たなかったわけである。


(つづけ)


雨飾山