南アルプス天然少年団

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通りすがりの傍観者の足跡。

メロン記念日×ミドリ@『Rooftop』

メロン記念日ロック化計画”第3弾は、その比類なきライヴ・パフォーマンスで絶大な支持を集めるミドリ!
過ぎ行く夏への焦燥と甘美な陶酔、メランコリックな情緒の果てに昇華した珠玉のラヴ・ソング、今ここに誕生!


ビート・クルセイダース、ニューロティカとのがっぷり四つに組んだコラボレーションが続いた“メロン記念日ロック化計画”は、第3弾にしていよいよレッド・ゾーンを振り切った未踏の領域に達したと言っていいだろう。今回のお相手は、ミドリ。今さら改めて言及するまでもないが、他の随従を許さぬ出色のライヴ・パフォーマンスで見る者を深淵なる混沌と狂熱の坩堝へと引き摺り込み、ノイジーハードコア・パンクをその出自としながらも今やジャンル・カテゴライズ不能な妙味に富んだ音楽性で圧倒的な支持を誇る猛者である。そんなミドリがメロン記念日に提供した『sweet suicide summer story』は、バッキバキにパーカッシヴなリズムと淀みなく流れ行くピアノの叙情的な旋律、そして胸がキュンと鳴る愛くるしいハーモニーが三位一体となった掛け値なしの一曲…いや、逸曲だ。さる7月23日に我が新宿ロフトで行なわれた『イインダヨ! グリーンダヨ!!』ですでに両者の対バンは実現、ステージの構造上の都合で共演こそ叶わなかったものの、この日初披露された『sweet suicide summer story』がメロン記念日を新た
な方向性へといざなうポテンシャルの高い楽曲であることを親愛なるヲタもだち諸兄ならよく理解しているはずだ。ライヴ終演後にロフトのライヴ・スペースで実現した両者の貴重なトーク・セッションを心行くまで堪能して頂きたい。

インタビュアーはもちろん、椎名宗之編集長である。




読んでみて、実に意外だったのが、ミドリの後藤まりこ殿(ギターと歌)が10代の時にメロン記念日のライブを観たことがある、という話。
いったいまりこ殿は、いつ?どこで?メロン記念日のライブを観られたのであろうか?



“諦めさえしなければ”

さて、そのまりこ殿が今回、作詞をするにあたってのキーワードになったのは、“諦めさえしなければ”という言葉。
これは、以前に村田めぐみ殿に会った際(ミドリ@日比谷野音の時だろうか?)に、
「自分の好きな言葉をいくつか書いて下さい」
と頼んで、その時、村田殿が書いた、
「チャーハン」「カラフル」「フットサル」「ねこまんま」「アジサイ」…。*1
まりこ殿は、その中にあった“諦めさえしなければ”という言葉をヒントに、この曲の歌詞を書いたそうである。


ちなみに村田殿によれば、この“諦めさえしなければ”という言葉、UFAの忘年会で堀内孝雄氏が言っていた言葉だという。
堀内氏の言葉が村田殿経由でまりこ殿に行き、こういう歌詞が出来上がった、というのはとても面白い。


但し、まりこ殿はこの“諦めさえしなければ”という言葉は実は余り好きではないらしい。
しかし、自分のボキャブラリー以外で他人に刺激をもらって歌詞を書く、ということが初めてだったので、面白かったとのこと。
逆に、メロン四人全員に好きな言葉を書いてもらえなかったので、そのことが残念だったという。



四人四音色

レコーディングでは、メロン四人が初めてそれぞれ違うマイクを使ったという話。
今までのメロンは、「4人の声質の平均を取って同じマイクを使っていた」(大谷雅恵)由。しかし、
「ヴォーカリストの人は自分に合うマイクを如何に見つけるかっていうのがあるらしくて」(鍵盤:ハジメ
「だって、みんな声違うやん?」(後藤まりこ


考えてみりゃ、そりゃそうだ、という話。


ちなみに、まりこ殿から見たメロン四人のヴォーカリストとしてのの資質の違いと、使用したマイクは、
村田→自分に一番似ている。だから全く同じマイクを使った。
大谷→自分や村田よりもっと声が太く、ピッチが引っ掛かるとこがあるから立ち上がりの早いマイク。
柴田斉藤→声が強いし早いが、柴田の方が細いので、コンデンサーとダイナミックを合わせたみたいな感じ。


「ひとりひとりの声質をキチンと聴いて下さったことに凄く感動した」(斉藤瞳
「ひとつのマイクに合わせることで消えていくものもあるんじゃないかと思いましたね」(大谷雅恵



ところで、歌に紛れている声の主(途中で聞こえる“えッ”とか“おッ”とかの声)は、まりこ殿ではなく、メロンの声らしい。
これはメロン四人も知らず(てっきりまりこ殿の声だと思っていたらしい)、驚いている。
ちなみにまりこ殿の声が入っているのは、“夏が君と過ぎて行く”や、最後の“I still...”のところのバック・コーラスとしてだけらしい。



MELON LOUNGE@NAGOYAへ向けて

新宿LOFTでのライブでは、ステージの構造上の問題でコラボが果たせなかったメロン記念日とミドリ。
『MELON LOUNGE@NAGOYA』では、
「やりますよ」(まりこ)
と言ってくれている。
コラボ曲以外の共演曲*2については、
「ランナウェイズの『CHERRY BOMB』がやりたい」(まりこ)
とのこと。
これは偶然にも、ビークルヒダカトオル氏が、
メロン記念日をロック・バンドにたとえるとランナウェイズ」
と、言っていたことと一致する。



さて、名古屋では、どんなライブが繰り広げられることになるだろうか…?



全文はこちらに。
 
 

*1:「カラフル」は大谷殿、「フットサル」は柴田殿、「ねこまんま」は斉藤殿をそれぞれイメージした言葉らしい。

*2:BEAT CRUSADERSとはセックス・ピストルズの『ANARCHY IN THE U.K.』、ニューロティカとはニューロティカの『…to be HARLEM』と『絶体絶命のピンチ 尻尾を高く上げろ』、そしてメロン記念日の『さぁ、早速盛り上げて行こか〜!』を一緒にやった。