改めてのハロプロ卒業式
『LAST MELON GREETING』が改めてのハロプロ卒業式、
『ROOFTOP PROOF 2010〜MELON KINEN-BI LOFT LAST GIGS』がロック化計画の卒業式であったように思われる。
『MELON GREETING』はハロプロOGによるメロン記念日トリビュートライブ。
それぞれがメロン記念日の楽曲から歌いたい曲を選んで…というシステムは、この選曲権を最終的に誰が握っていたかは知らない。
しかし、石川梨華殿の証言にあるように*1、ある程度彼女たちに決定権があったようである。
松浦亜弥『さぁ!恋人になろう』
石川梨華『シャンパンの恋』
保田圭『電話待っています』
矢口真里『This is 運命』
安倍なつみ『香水』
飯田圭織『夏の夜はデインジャー!』
…という選曲は、いずれも当人たちのキャラだったり持ち味を生かしたものだった。
石川梨華→『シャンパンの恋』という通好みの選択は、メロンヲタを名乗る彼女の面目躍如たるものだったし、
保田圭→『電話待っています』は、前後のトークの流れとも相まって傑作だったのは確かだし、
安倍なつみ→『香水』は、歌を着実に自分のものにしていくこの人の歌い手としての実力を改めて再認識させてくれた。
また、飯田版『夏の夜はデンジャラス!』(←わざと書いてます)は、なるほど、この人がこの曲を歌うと不倫の要素が加わってくるのだな…と思ったり。
そんななか、
前田有紀『さあ、早速盛り上げて行こか〜!!』
吉澤ひとみ『赤いフリージア』
というのが、意表をついた選曲だったわけであるが、これもまた自らのキャラ、観客が何を見たがっているか理解しているからこそのもの、という言い方も出来る。
やはり、このメンバーはさすがだな、と。
もちろん、久しぶりにメロンを観に来たという人たちの為にと、
斉藤瞳「最近のメロンを見せつけるよ〜っ!」
というメロンのライブも気合いの入ったものだった。
正直、曲は少なかったものの、クオリティは0219のライブよりも上だったと思う。
なんでこのライブ、商品化しないのだろう?
売るDVD、間違えてませんか?UFAさん…。
ライブハウスにはヒロインがいたぜ♪
一方、『ROOFTOP PROOF 2010〜MELON KINEN-BI LOFT LAST GIGS』は、『MELON GREETING』のロック版というか、ロック化計画以降の『MELON LOUNGE』の集大成ともいえるライブだった。
ストライカーズを感激させ、『Rooftop』編集部の皆さんに「オーディエンスの鑑」と称されたメロンヲタの他の出演バンドへの応援。
ニューロティカとの初共演だった昨夏の『MELON LOUNGE』でも、カタル氏(B.)が、
「ウチらのワンマンの時より反応がいい」
と笑っていたし、
今年1月の『シンジュクアクション』の時にも、ロリータ18号:石坂マサヨ殿(Vo.)に、
「観客のプロ」
「この人たちの前だったら大丈夫!」
と言われていた。
「ハロー!のイヴェントなどで全部を通してイヴェントだという習慣が身についているのかもしれない」
と、大谷雅恵殿が述べているように(『Rooftop』2010年2月号)、もともとメロン記念日はモーニング娘。や松浦亜弥コンサートのゲスト(というよりもおまけ)として出演することが多かったし、数多くのハロコンや、ゲストを交えての『MELON GREETING』を経験して、他の出演者の時の楽しみ方、ゲストの皆さんへのもてなし方を覚えてしまっている。
「オーディエンスの鑑」だなんて…。
いつもやっていることをやっただけなのに…。
という、ちょっとくすぐったい意識…(笑)
確かに、対バン形式のライブに行くと他のバンドのファンの方々の静かさに驚くことはある。
それでも、ニューロティカやコレクターズのファンの方々にもちゃんとメロン記念日のライブを楽しんでくれる人がいたことは特記しておきたい。
昨夏の『MELON LOUNGE』にての『ガールズパワー〜』の時の、メロンヲタと一緒になって振りコピしていた多数のニューロティカファンの盛り上がり。
昨年12月の『ROOFTOP PROOF』の時の『お願い魅惑のターゲット』の振りコピを完璧にこなすコレクターズファンの女性。
それに、今回の(出演発表時に既にチケットが完売していた為に数は少なかったが)ストライカーズのファンの方も…。
しかし、メロン記念日とニューロティカは、なんでこんなに相性がいいんだろう?
同じ四人組、
同じ名字が二組(村田と柴田)、
もちろん楽曲のノリの良さもあるんだけど、
それぞれの四者四様のキャラの濃さ、カッコ良さとユーモラスなところが共存しているところなんかがあるんだと思う。
筆者個人的には最近、とくに“村田兄妹(+柴田兄妹)”イベント以降、シズヲ氏(G.)がツボで、シブいキャラで出てくるのにメロンに何か言われるとちょっと狼狽えてしまうところなんかが妙に親しみが持てる。
短い間だったかもしれないが、この“八人”を観られたことは本当に幸せだった。
『音流』で怒髪天:増子直純氏が、
「ロティカとやるか!って思うよね(笑)」
と、発言していたが(2月19日放送)、ニューロティカと相性のいいアイドルグループなんて本来あり得ないだろうし、今後も現れることはないだろう。
LOFTでカタル氏が村田めぐみ殿にちらっと、
「また村田兄妹出てね」
と言っていたけど、今後とも、それぞれのメンバーとの良好な関係が続いて行ってほしいと思う。
それにしても、アツシ氏(Vo.)や、アツシ氏が「珍しく泣かなかった」というナボ氏(Ds.)がもしもあの場でそうなっていたら…。
筆者、マジでヤバかった。
メロン本人たちが泣き出すよりも、そういう方が遥かに弱い…(笑)
メロン記念日の楽曲は残っていくか
人間には幼少期に精神的に辛い体験があったりすると、大人になってもなかなか克服出来ないことがある。
いわゆるトラウマというやつである。
どうやら、曲というのにもそういうものがあるらしい。
『ALWAYS LOVE YOU』のことである。
この曲、なにぶん初披露が0219の渋谷AX、解散発表直後だったこともあって、まともな精神状態でこの曲を聴けなかったという人、
この曲を聴くとあの時の暗澹たる気持ちを思い出してしまって…という人、
自分はそれほどでもないんだけど、周囲に気を使ってしまって今ひとつノれない…という人、
そういう人が多いように思われる。
『LOFT LAST GIGS』でも、ラストのこの曲の時は、それまでのお祭り騒ぎが嘘のように…。
正直、どうリアクションとったらいいのか困った曲になってしまった感がある。
だから『URA MELON』の特典映像にて、『Rooftop』椎名編集局長が発言しているような、
「ヲタもだちの間では“神曲”と言われてます」
などという状態にはとてもなっていない、というのが真実である。
(いや、普通に聴いたらいい曲なんだけど)
だから、
「メロンが解散しても曲はずっと残ってほしい」
と思っているメロンのメンバーやスタッフは痛恨のミスを冒したのかもしれず、この不幸な生い立ちを持ってしまった曲が5月4日以降、どういった風になっていくのか、ちょっとわからない。
また、やはり『URA MELON』に特典映像として収録されているPVは、街中で撮影されたもので、メンバーそれぞれの“歩き”のソロショットが中心となっている。
歩きのソロショットというのは、それぞれの新たな出発を表現しているのだろうし、ブログで大谷雅恵殿が言っているように、衣装が私服であるというのも、“メロン記念日ではなくなった私たち”ということを表現しているのだと思う。
街中でのロケ、メンバーのソロショットとなれば、簡単に比較出来るのはモーニング娘。の『愛の種』だが、
『愛の種』が何かが始まる希望に満ち満ちているのに対して、
『ALWAYS〜』の方は、何かが始まるのかもしれないが、やはり一種もの哀しい映像になっている。
これはひとつには『愛の種』が夏に撮られたものであるのに対して、『ALWAYS LOVE YOU』が冬枯れの街を背景に撮られたものであるというのが大きいとは思う。
だから、PVとしては成功しているといえるだろう。
一方で、ここへ来て、いわゆるつんく♂楽曲のしぶとさというか、底力というものをひしひしと感じている。
『LAST MELON GREETING』での『Never Forget』や『ALL FOR ONE & ONE FOR ALL!』、
それに『メロン記念日物語』での『ENDLESS YOUTH』…。
『Rooftop』にも書かれていたように(2010年4月号)、
「メロン記念日はHello!Projectの中でもつんく♂色の薄いグループ」
確かにそうなんだけど、それでも彼女たちはやはり、つんく♂プロデュースのオトシゴだったということを再確認出来る。
だから、“ここへ来て”思うのは、
「メロン記念日を忘れないで」
とか、
「メロン記念日は解散するけど楽曲は残るもの」
「MELON’S NOT DEAD」
なんてことはもう言わなくていいじゃん…と。
“2010年5月3日、メロン記念日終焉”
それでいいじゃないかと。
どうせ心に残る楽曲は、勝手に残っていくだろうから。
――『LAST MELON GREETING』『ROOFTOP PROOF 2010〜MELON KINEN-BI LOFT LAST GIGS』、とりあえず完了――
*1:「曲はリクエストさせてもらったが、一緒に歌いたい曲がありすぎて一週間位悩んだ。『愛してはいけない・・・』をリクエストしたらメロンのみんなに『マニアック過ぎる』と言われてしまった。」http://www.mbga.jp/.pc/_dia_view?d=696226493