南アルプス天然少年団

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通りすがりの傍観者の足跡。

BSプレミアム『英雄たちの選択』2時間スペシャル「プロが選ぶ最強の戦国武将」(10/31)


スペシャル 「プロが選ぶ“最強”の戦国武将」 - 英雄たちの選択 - NHK
【テレビ情報】NHK BSプレミアム「英雄たちの選択」 2時間スペシャル プロが選ぶ!“最強”の戦国武将とは? – こころ | 薩摩川内観光物産ガイド

【番組MC】
磯田道史(歴史家)、杉浦友紀(アナウンサー)
【スタジオゲスト】
小和田哲男(歴史家)、千田嘉博(城郭考古学者)、平山優(歴史家)、飯田泰之(経済学者)、中野信子(脳科学者)、橋本麻里(美術ライター・永青文庫副館長)
【ナレーター】
松重豊


昨年地上波で放送されて歴史ファンに評判の超悪かった『戦国武将総選挙』（テレ朝。2019/12/28放送）。
国民10万人がガチ投票！戦国武将総選挙｜テレビ朝日
ちなみに上位10人は、
①織田信長②上杉謙信③伊達政宗④真田信繁(幸村)⑤徳川家康⑥豊臣秀吉⑦武田信玄⑧黒田官兵衛⑨明智光秀⑩石田三成
というものであった。
小和田「今までのランキングは人気度ランキングが多かった…」


これに対抗するためか(？)、こちらは専門家の選ぶ最強の武将を選出しようという企画。
磯田「（視聴者に）専門家が選ぶんで、自分の好きな武将が入ってない！って怒らないでくださいね(笑)」
そこで最強の戦国武将を選出するべく、50人以上の学者、学芸員、作家などの専門家に大規模なアンケートを実施。

スタジオで各ブロック（出身地＆大名として活躍した土地）のベスト10を発表。上位3人から出演者の討論で決勝進出者を決める、という仕組み。


ロケはこの番組恒例、千田先生と杉浦アナ。


（↑山中城）




九州ブロック

①立花宗茂②島津義弘③島津義久④大友宗麟⑤立花(戸次)道雪⑥加藤清正⑥龍造寺隆信⑧小西行長⑧鍋島直茂⑩高橋紹運
大友4人、島津2人、龍造寺2人、豊臣2人という結果。

平山「大友が多い。思い入れのある高橋紹運が入っていて良かった(笑)」
小和田「（島津兄弟が②③位）二人合わせれば①位ですよ(笑)」
杉浦「立花宗茂が上司だったらいいと思いました」
決勝進出は満場一致で磯田先生イチオシの立花宗茂（「関ケ原合戦は西軍の立花宗茂が関ケ原に来ていなかったから徳川家康が勝った」説）。




中国・四国ブロック

①毛利元就②長宗我部元親③小早川隆景④山中鹿介(幸盛)⑤尼子経久⑤尼子晴久⑤大内義興⑧毛利輝元⑨吉川元春⑨宇喜多直家
中国の毛利vs四国の長宗我部という図式。
最近評価（悪評？）の上がっている毛利輝元が、名将のほまれ高い叔父の吉川元春より上位というのが面白い。毛利に滅ぼされた尼子家から3人入っているのも特徴か。

磯田「小早川隆景は60代で死んでいるが、彼に70代があったら家康は天下取れただろうか？」
千田「長宗我部元親は“お城力”でいったら①位」
決勝進出は毛利元就。
杉浦「そりゃそうだ」


関西ブロック

①黒田官兵衛②松永久秀③石田三成④三好長慶⑤明智光秀⑥藤堂高虎⑦浅井長政⑦六角義賢⑦大谷吉継⑩細川幽斎
武将としての石田三成は近年再評価されている。

橋本「細川幽斎は文化の面では最強」
平山「六角は最後まで信長に抵抗した。もっと評価されていい」
新たに発見された肖像画もあって、以前とはイメージが変わってきた松永久秀と、その主君で「最初の天下人」とされる三好長慶が全般的に高評価。
千田「（久秀は）近世城郭につながっていくようなお城を大和で築いていた」
飯田「三好・松永が中世を終わらせた人、石田三成は近世をはじめた人。『織田がつき羽柴がこねし天下餅…（座りしままに 食ふは徳川）』ってありますけど、その前に米を炊いたのは三好・松永」
ここはスタジオ投票が割れて、②位だった松永久秀が決勝進出。


中部ブロック

①織田信長②徳川家康③豊臣秀吉④真田昌幸⑤上杉謙信⑥武田信玄⑦本多忠勝⑦真田信繁(幸村)⑦今川義元⑦朝倉宗滴
中部でまとめちゃったので、トップ3は三英傑で独占。武田も上杉も真田もベスト3に入らない事態。

杉浦「このブロックは横綱大関勢ぞろい」
小和田「ここは激戦区。今川義元が⑦位に入ったのは嬉しい」
平山「僕が推したのは誰も入らなかった…。①小笠原貞慶②依田信蕃③下條頼安…」
　〃「ただ専門家が選んだだけあって、朝倉宗滴が入っているのが印象的。さすがだなと思いますね」
杉浦「実家（愛知県岡崎市）に帰るたび思いますね。戦国時代、だいたいうちの地元じゃん(笑)」
磯田「岡崎出身の杉浦さんに喧嘩を売るようだけど、家康②位は納得いかない！　⑥位の武田信玄に負けているし、武田が滅びたあとに合併して強くなってる。③位の秀吉が生きている間、手も足も出なかった。私は①位秀吉。信長は明智に討たれちゃうし、②真田昌幸、③武田信玄にしたいですね」


決勝進出は豊臣秀吉。


東北・関東ブロック

①伊達政宗②北条氏康③北条早雲④直江兼続④蒲生氏郷⑥佐竹義宣⑥最上義光⑧佐竹義重⑨上杉景勝⑨太田道灌
関東の北条vs東北の伊達。
蒲生氏郷、佐竹義重・義宣、最上義光あたりが入ってくると、専門家が選んだという説得力がありますな。

小和田「北条早雲は最初の戦国大名」
平山「北条氏康は野戦で敵の大将を二度討ち取った数少ない戦国武将。北条の統治のシステムを武田も見習った。北条は氏康までは強い。その後がダメ…」

決勝進出の投票が割れる。
伊達政宗（千田・中野・橋本）北条早雲（小和田・飯田）北条氏康（磯田・平山）。
家単位でいけば伊達3、北条4だが…。
磯田「伊達政宗は戦国“最高”の武将だと思うけど、“最強”じゃない」
大阪夏の陣の失態があるから。これは納得。


伊達政宗が決勝進出。


決勝

■決勝進出者
【九州代表】立花宗茂
【中国・四国代表】毛利元就
【関西代表】松永久秀
【中部代表】豊臣秀吉
【関東・東北代表】伊達政宗

千田「むちゃぶりですよ、この中から選ぶ私たちの身になってほしい(苦笑)」


■最終結果
【総合①位】豊臣秀吉 3票（磯田・千田・橋本）
松永久秀 2票（飯田・中野）
毛利元就 1票（小和田）
立花宗茂 1票（平山）


■選考理由
平山（立花宗茂）「武と領国の統治、城郭の建設、総合的なバランスで立花宗茂。秀吉つまんないじゃないですか、当たり前すぎて。ダメですよ皆さん(笑)」
小和田（毛利元就）「（豊臣秀吉と迷って）秀吉は晩年がちょっと…。あと弟の秀長がいたからあそこまで出来たんで」
飯田（松永久秀）「近畿における室町時代を終わらせた人。戦国時代を作った人」
中野（松永久秀）「この人は悪く言われすぎているのかもしれない、また新しい史料が出てきたら見てみたい」
橋本（豊臣秀吉）「つまらないと言われても…(笑)、現実的に天下を統一したので。文化の面でも爆発力を評価して」
千田（豊臣秀吉）「私たちが見ているお城が全国に出来たのも秀吉の時代。戦うお城から見せるお城へ。全国に及ぼした実行力」
磯田（豊臣秀吉）「“好き”で決めようかと思ったんですが…」
はい、立花宗茂に入れるかと思ってた。
磯田「“論理”で決めました。松永久秀、戦で負けて死んだ人はない。立花宗茂と伊達政宗は秀吉に仕えている。秀吉と毛利元就は直接対決してない…。小和田先生の言う通り、秀吉は弟の秀長に助けられてる。でも、毛利元就は吉川元春・小早川隆景という優秀な子供二人に助けられてる。悩んだ結果です(笑)」


最後に杉浦アナの選択。
杉浦「地元愛（愛知県岡崎市出身）で徳川家康。興味がわくのは松永久秀！」



小笠原貞慶、依田信蕃はわりと知っていたけど、下條頼安はよく知らなかった。
勉強させていただきました。