南アルプス天然少年団

南アルプス天然少年団

通りすがりの傍観者の足跡。

スタイルの戦い

有明で思ったこと。




ガッタスがBUONE CONDIZIONIに勝つ方法は、いくつかある。


例えば、全員体を鍛え直して、ムキムキになれば勝てる。


でも、そんなの誰が望んでるんだ?


…という話である。




またぞろラグビーの話で申し訳ないが、今回の決勝戦を観て、91年と95年と二度にわたるラグビーW杯の日本‐アイルランド戦を思い出した。


二度とも、力業で押さえつけにくるアイルランドを日本がパスプレーとランニングで対抗し、大善戦した試合である。
敗れたとはいえ、日本に対する関係者の評価は高く、91年の梶原宏之選手(当時東芝府中。現山梨県教員)、95年の平尾誠二選手(当時神戸製鋼。現神戸製鋼GM)のトライは、それぞれ大会ベストトライのひとつに数えられた。


91年は地元(アイルランドである)新聞に、
アイルランドは日本の戦法を参考にすべき」
と書かれ、
95年に至っては、これは大会運営側の強烈な皮肉だったろうが、試合のマン・オブ・マッチに、勝者のアイルランドの選手でなく、敗れた日本から、シナリ・ラトゥ選手(当時三洋電機。現大東文化大監督)を選出したのである。


ラグビーは元々体格差が如実に勝敗に影響するスポーツ。
だからこそ、
「勝ちゃあいい、ってもんじゃない」
という感覚が、他のどのスポーツよりも強い。


とは言え、アイルランドのパワーだって、決して馬鹿にしたものではない。
パワープレーにだって日々の練習の成果がある。
「愛すべき田舎者たち」
そう言って、愚直ともいうべきアイルランドの戦法を、むしろ愛するファンや関係者が多いのもまた事実である。




どのようなスタイルで戦うのか…?


違うタイプのチームが出てくるからこそ、こういう大会は楽しい。




有明で、ガッタスの前に立ちはだかったのは、とても良く手入れの行き届いた筋肉の集まりだった。
それに対して、ガッタスは自分たちのプレーで戦い、善戦した。


どちらも見苦しいことはなく、とてもいい試合を観させてもらった。


…というのが、今日現在まででの大まかな感想である。