南アルプス天然少年団

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通りすがりの傍観者の足跡。

中澤裕子バースデーライブ2010『Saturday☆Birthday Night!』感想

筆者にとっては、一昨年以来の中澤裕子バースデーライヴ。


セットリストを振り返ってみると、
(あれ?『東京美人』がない!)
ということに改めて驚かされた。
自身でもラジオで「いちばん好き」と言っていた曲だし、この曲は中澤裕子にしか唄えない、と言っていいくらい彼女のキャラクターに合った曲だと思う。
しかしその曲がなくとも、充実したセットリストだった。


カバー曲が多いと文句をいう方もいるようだが、筆者はいい曲ならばなんにも気にならない。
それに、昨年暮れに前田有紀殿が飯田圭織殿に語ったというアドバイス
「カバー曲でも、唄えば自分の曲になるのよ」
という言葉が強く胸に響いたこともあるし。


個人的にはなんといっても、『星のかけらを探しに行こう again』*1であった。
実はこの曲、筆者大好きな曲で、
(中澤殿あたりカバーしてくれないかな…?)
と思っていた曲でもあったので…。*2
この曲は30歳以上の人でないとしっくりこない気がする。
舞台で杏子殿と共演したことから実現したわけであるが、筆者ライヴ中、バックコーラス部分を山崎まさよしスガシカオ両氏の声に変換して聴いていたので、そのあとの杏子殿の登場は本当に驚いたし、嬉しかった。



話は変わるが、数年前、80年代の元アイドル数人がまとめて復活ライヴを行なった際に、某大新聞に署名記事が掲載されていた。
内容的には、
「驚いたのは彼女たちがまるで現役当時のように踊れることだった…」
といったもので、盛んに誉めたあと、
中澤裕子が彼女たちの年齢(筆者註:オーバー40)に達した時、果たして彼女たちのように踊れるだろうか」
という一文で記事が締め括られていた。
おそらくこの記者氏は、元アイドルたちに思い入れがあり過ぎて、こういう間違った認識を持ってしまったのであろう。
言うまでもなく、中澤裕子は現役選手である。
30歳で引退した選手と40近くまで現役を続けた選手が40歳の時にどちらが体が動くかというのは、自明の理であろうと思う。
それにこの記者氏はその時ライヴを行なったうちの一名が、かつて『ハロモ二。』にゲスト出演した際、モーニング娘。たち(中澤裕子在籍時)に「モー娘。のダンスを教えてくれ」と頼んで一緒に踊ったものの、全然ついていけなかったことを知らないのであろう。


30歳近くなったからアイドルはもう終わり、というのも潔い。
しかし、ずっとアイドルでい続けてやる、というのも潔い。
事務所を離れて一からやり直す、というのも、ずっとこの事務所に居る、というのも、それは個々の生き方・価値観の違いでしかない。




――中澤裕子バースデーライブ2010『Saturday☆Birthday Night!』完了――
 
 

*1:曲名の表記については、オリジナルの杏子版が『星のかけらを探しに行こう』、福耳版が『星のかけらを探しに行こう again』。今回は杏子殿のみの出演だが、中澤「福耳の…」と紹介していたので、それを尊重して『again』の方を採らせていただいた。

*2:どういうわけかこういうのは願いが叶う。飯田圭織『雨音はショパンの調べ』(小林麻美)しかり、吉澤ひとみ『サヨナラ』(GAO)しかり…。