南アルプス天然少年団

南アルプス天然少年団

通りすがりの傍観者の足跡。

20年

櫻井孝昌氏による、バンコク世界握手会ツアーに参加したモーニング娘。10代メンバー(譜久村聖飯窪春菜石田亜佑美)のインタビュー。


【櫻井孝昌のJAPAN! JAPAN! JAPAN!】 第27回 海外は遠くない!世界を体験したモーニング娘。10代の3人は何を感じたか!? | asianbeat
【櫻井孝昌のJAPAN! JAPAN! JAPAN!】 第28回 モーニング娘。譜久村、飯窪、石田インタビュー後篇。若者たちよ世界へ! | asianbeat

失われた20年間と言われる日本経済の停滞期のど真ん中で育ってきたいまの若者たちの海外離れは深刻な問題だ。わかりやすいところでいえば、それは留学者数の激減に象徴されており、たとえばアメリカへの留学者数は、ピーク時の約4割となっている(米国際教育研究所調査)。
日本が改めて世界に向かわなければいけない状況下、それを担うべき若者たちの心が内向きになっていくいっぽうなら、日本に明るい光は射してこないだろう。だが、日本経済の先行きが不透明、海外を向けと言われても、テレビや新聞の報道を見ればネガティブなニュースばかり。若者の内向き思考は、彼らのせいばかりではないのだ。
モーニング娘。の10代メンバーは、アイドル最前線にいるだけでなく、彼女たち自身もまた、失われた20年間に生まれた、素顔はそんな若者たちとなにも変わらない10代だ。
愛される日本。この日本人が気づいてこなかった世界の現状に向き合ったとき、3人が何を感じるかは、若者が世界に向き合っていくうえで重要な示唆となるだろう。だから、私は3人と改めて話したかったのだ。海外のファンを、彼女たちはどう見たのだろうか。


大上段から振り下ろされた形のインタビューであるが、読んでみるとなるほどとうなづかされる。
ただ、経済的には“失われた20年間”ではあったかもしれないが、ひょっとすると経済の停滞やらそういった状況こそがアイドルやその文化を育てる土壌となったのかもしれない…、などという考えも頭をよぎる。
だとすれば、アイドルやヲタにとっては“失われた20年間”ではない。
じゃあ、今後日本が好景気に転じたらアイドルやその文化は停滞してしまうのか?
いや、今や日本の良質の輸出品となったアイドル文化はそうはならないのではないか。

ニューヨークやロンドンにミュージカルを観にいくように、海外のファンが日本のアイドルを観るために日本に来る。それがけっして珍しいことではない日本に、われわれはしていかなければいけないのではないだろうか。
いつも書いていることだが、アイドルと世界の距離感の問題はもはやアイドルだけの問題ではないのである。


どうもこのあたりにそのヒントが隠されているように思われるのだが、浅学の筆者にはこれ以上のことはわからない。