南アルプス天然少年団

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通りすがりの傍観者の足跡。

飯田圭織 X'mas Special Live・感想

毎度、季節感のあるライブをやってくれる人。
春なら春の曲、バースデーライブなら『誕生日の朝』とか、そういう意味では「必殺」ともいうべき“武器”を持っている。


今回のライブは、クリスマスソング&ウィンターソングヒットパレードともいうべき内容。
まさかこの人がEXILEやB'zの曲を唄うとは思わなかったし、『雪の華』や『白い恋人達』が聴けるとは思わなかった。
(『Winter,again』はやりそうな気がしてたんだけど…)


しかし、そんな数々の名曲の中で、ハロプロ関連の曲が少しもひけをとっていないことを改めて認識させられた。


客席がいちばん沸いた『ぴったりしたいX'mas』。
それに「待ってました!」という声がかかりそうだった『王子様と雪の夜』。


そして、本編ラストに唄った『聖なる鐘がひびく夜』。
事前の予想で、この曲が一曲目かな?…なんて思ってたけど、ラストで大正解。
名曲中の名曲ですわ、これ…。
ちょっと、鳥肌が立った。
 
 



そして今回、どうしても触れなければならないのが、MCにおける、ご主人とのなれ初め話について――。


おそらく、最近バラエティ番組への出演が増えているなか、すでに収録済みの番組でその手の話題がなされたか、そういう話題が中心のトーク番組への出演が決まっているからなのではないかと思われる。


確かに、飯田圭織という人は、ファンクラブバスツアー前日の突然の結婚妊娠発表→その後のお子さんの不幸な出来事と、ヲタにショックを与えてきた。
しかし、だからこそ、これ以上自分のファンを傷つけたくないという気持ちがあるのではないか?
過去の彼女の発言の数々からは、プロ意識の高い人、そして、彼女の敬愛する松田聖子殿のように、ファンの前では一生アイドル(=恋人)であり続けよう…とする意志が見てとれる。
例のマスコミ発表翌日のバスツアーにて、ヲタを前にした第一声が、
「結婚することになりました、ごめんなさい…」
だったのが、なにより象徴的である。


また、こういう話題の場合、ヲタもスタンスの違いによって受け止め方がそれぞれ違うはずだ。
筆者のように、
(そりゃ、いつかは彼女も結婚したり子供産んだりするだろう)
と思っていた人間と、彼女に半ば本気で恋してしまった人間とは、受け止め方がおのずと違ってくる。



思い出したのが、やはり例のバスツアーでのとある出来事。
ツアー先にて、数人ずつに分かれてのバーベキューの際、筆者の同席者の中に、かなり凹んでいる人物がいた。
“彼”はバス出発時よりかなりショックを受けている様子で、バーベキューの時も、それなりに楽しんでいる他の同席者に比べてテンションが低いままだった。
しかし、やがて飯田殿が各テーブルを巡回してきた時、“彼”はせっかくの本人を目の前にした状況で、なんでもいいから何か話しかけなければ…と思ったのだろう。
思わず(だと思う)“彼”が口にした言葉は、
「彼氏とは普段なんて呼び合ってるんですか…?」
というものだった。
筆者はその時仰天し、
(大丈夫か――?)
と、思わず“彼”の顔を見てしまった。
“彼”こそが、その質問の答えをいちばん聴きたくないはずでは?…と思ったからである。
すると飯田殿は、はっきりと困惑した表情を浮かべ、あろうことか、筆者に向かって、
「私、それ、言っていいの?」
とでも言いたげに、目で訴えてきたのである。
どうも筆者をその席のリーダー役だと思ったらしいのだが、実際は赤の他人の集まり…。
(なんで俺に…?)
と、思いつつも、筆者は慌てて同席者の様子を窺うと、それまで陽気だったのに一転表情を曇らせた人や「聴きたくない…」とばかりにうつ向いてしまった人もあり、今度は筆者が、
「あんまりよろしくないようです…」
と、飯田殿に目で訴えることになったのである。
ハロメンと一対一でアイコンタクトをとったのはあとにも先にもこの時ばかり(たぶんもう二度とないだろう)だが、その時は感動とか嬉しさなどは全く感じず、とりあえずこの場をなんとかしなければ…と、全身から汗が吹き出るほど必死であった。
結果、筆者の意思が伝わったのかどうか、飯田殿はなるべくショックを与えないような言い方、直接的表現ではなく間接的に、それも消え入りそうな小さな声で、
「名前で…」
というような答え方をした。



このことが、現在、彼女が自身のブログの中でご主人のことを示す時に使う「旦那クン」という、絶妙な――なんとなく“同居人”程度のニュアンスでしかない――表現につながっているような気がしてならない。


ホントはこの人は、自分が結婚したこともファンには黙っていたかったんじゃないかな?
ましてや自分の恋愛話など、絶対にファンには話したくなかった…。
でも、様々な事情から、そんなわけにはいかないわけで、それならせめて自分の口から伝えようとし、そして“伝えてくれた”という風に受け止めている。



飯田圭織殿。
大丈夫ですよ。
ライブが終わったあと、お客さんみんな、幸せそうな顔して帰って行ったから。