南アルプス天然少年団

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通りすがりの傍観者の足跡。

ピンチはチャンス バカになろうぜ!


3月21日、アップアップガールズ(仮)が柏パルーザでのツアー・プレ公演にて、メロン記念日×ニューロティカの『ピンチはチャンス バカになろうぜ!』(『ピンバカ』)をカバーした。

アップアップガールズ(仮) The Seven LIVE Alien Prelude in KASIWA PALOOZA - On The Road』 より。
リハーサル部分の映像
本番部分の映像


アップアップガールズ(仮)(以下、アプガ)は、先輩・メロン記念日の曲はこれまでに『お願い魅惑のターゲット』以外にもリスペクト公演などで数々カバーしてきたが、“ロック化計画の曲”を歌うのは初めて。
ハロー!プロジェクトやチーム・負けん気の後輩たちも同じで、メロン記念日のカバーは高名な(?)道重さゆみ赤いフリージア』(“さゆーじあ”)を始め数々あるが、筆者が知る限りではロック化計画の曲を歌ったことのある後輩は、2009年10月の「MELON GREETING」のゲストでメロンと一緒に『ピンチはチャンス バカになろうぜ!』を歌った鈴木愛理たった一人*1ではないかと思われる。
ロック化計画の曲は外部発注だっただけに、権利関係がややこしいのかな?と思っていただけに意外なことであった。




そもそも、「メロン記念日ロック化計画」とは何か?
4thシングル『This is 運命』(2001年)以降、ロック系の曲が多くなったメロン記念日は、2006年にDJイベント「MELON LOUNGE」を開催してからはバンドマンをゲストに呼ぶなどしてロックバンドとの交流が活発化。
2009年のハロー!プロジェクト卒業を期に、本格的にロックバンドとコラボしていくこととなり、5つのバンド(BEAT CRUSADERSニューロティカ、ミドリ、THE COLLECTORSGOING UNDER GROUND)とのコラボシングルをタワーレコード限定発売という形で5作連続でリリースした。
その5作連続の2作目が、ニューロティカと組んだ『ピンチはチャンス バカになろうぜ!』(2009年7月リリース。作詞:ATSUSHI 作曲:KATARU 編曲:ニューロティカ)であった。
タワレコ渋谷店のJ-INDIES部門のウィークリーチャ−トで1位を獲得している。
ちなみに、このロック化計画のタワレコ側の窓口は「メロンを売れ!」の名言でも知られる嶺脇育夫現社長であったらしい。アプガがT-Palette Records所属であることは何かの符合であろうか。


当時の記事がまだ残っているので、興味ある方は覗いていただきたい。

メロン記念日×ニューロティカ('09年7月号) - インタビュー | Rooftop
第106回 カタルの「今夜はトゥナイト」 | web Rooftop
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“ピンバカ”初お披露目! | web Rooftop
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ニューロティカハロプロとの関わり。
つんく♂Pが若い頃にニューロティカのライブをよく観に行っていたというエピソードもあり、メロン記念日とのコラボ以前には、後藤真希『ポジティブ元気!』(アルバム『3rdステーション』に収録。2005年)のアレンジに携わったこともあった(作詞作曲:つんく、編曲:鈴木Daichi秀行ニューロティカ)。


なお、メロン記念日解散後の2011年にリリースされたニューロティカのアルバム『俺達が歩く道』には、セルフカバーの『ピンチはチャンス バカになろうぜ!』ニューロティカ版が収録されており、村田めぐみ大谷雅恵がバックコーラスで参加している。

ニューロティカ - インタビュー | Rooftop
ニューロティカ/俺達が歩く道 - TOWER RECORDS ONLINE
‎ニューロティカの「俺達が歩く道」をApple Musicで



さて、柏での初披露では筆者も興奮して観ていたので細かい歌割りなど覚えていなかったが、アプガ公式が上げてくれたインスタ動画(夜公演のもの)を観ると、ひとつ印象的な部分がある。
「♪全開 バリバリ」のところの「バリバリ」の部分である。


ここは本家:メロン記念日では、大谷雅恵が外国人風に「バリバリ♪」と叫ぶところであるが、アプガバージョンでも森咲樹がやはり外国人風にシャウトしているのがわかる。

(上記『Rooftop』'09年7月号の記事より)
──サビで1人ずつ細切れに唄われるところは大きな聴き所ですね。一番笑ったのは大谷さんの"バリバリ"でしたけど(笑)。
カタル:大谷さんに「どうしたらいいですか?」って訊かれて、僕もどうしていいか判らなかったんです(笑)。それで、「大谷さんはパンチがあるからガーンと行って下さい」って言ったら、「その前までガーンと2発("拳を上げて""やっちゃえ")行ってるんで、ここは好きなようにやらせて下さい」って言われて。そしたらいきなり外国人が出てきちゃった(笑)。あれはビックリしましたよ。
大谷:ほとんどガッツリ系で行ってたし、みんなはMP(萌えポイント)とか日本海系とかあるから(笑)、私も何か欲しいなと思ったんです。それで、自分は海外好きだけどそういうのは歌にしたことがないなと思って。

普段からアメリカ好きを広言していた大谷雅恵
同じくフランス好きを広言している森咲樹
見事に受け継がれたわけである。



それから、歌詞に出てくる「メロンコリー」であるが、これはニューロティカ:ボーカルにして八王子の藤屋のご主人でもあるアツシ氏が実際に仕入れたお菓子の名前。
駄菓子屋を営むパンクロックスター「あっちゃん」ニューロティカの30年が映画に | アパレル業界の求人・転職&ファッション情報 コレッチャ


【高評価】石塚製菓 メロンコリー 袋12個の口コミ・評価・商品情報【もぐナビ】

アツシ:メロンコリーは次の"MELON LOUNGE"の時に持っていきますわ。ウチ(藤屋)で売ってるお菓子にメロンコリーっていうのがあって、僕が仕入れた時に"これは何かあるな..."って運命を感じたんですよ。僕ってやっぱり、運命の糸を手繰り寄せる何かを持ってますね。
柴田:はい、持ってます!(メロン全員、拍手)
──まさに"This is 運命"ですね(笑)。ちなみに、メロンコリーとはどんなお菓子なんですか。
アツシ:ウエハースですね。
シズヲ:微妙に古いタイプのお菓子だね(笑)。
カタル:ライヴ会場で売りましょうよ!
シズヲ:あっちゃん、たくさん仕入れないとね。
ナボ:でも、売れ残ったらあっちゃんが赤字だよ?
アツシ:もしかして売り子はウチのお袋?(笑)
村田:是非是非!

それにしても、この曲と今のアプガとの食い合わせの良さはなんだろう?
実際、ライブ当日聴いた時には、『ENJOY!! ENJO(Y)!!』『アッパーレー』そして『パーリーピーポーエイリアン』といったアプガのおバカ系ソングに混じって違和感なかったし、歌詞も…。
以前、『Burn the fire!!』を初めて聴いた時にその歌詞、とくに「運命論者が予測出来るくらいの人生なら〜」のあたりでちょっと『ピンバカ』の冒頭の歌詞を思い出したものである。
今後アプガが「ロック化計画」の曲もカバーしてゆくのかどうかわからないが、とりあえず現時点でのアプガに最も合った曲であったことは確かである。
 
 

*1:Buono!での出演予定が、嗣永桃子夏焼雅がインフルエンザの為、急遽単独出演となった。