南アルプス天然少年団

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通りすがりの傍観者の足跡。

熊谷ラグビー場こけら落とし記念イベント(10/20)・帰路シャトルバス顛末記



熊谷ラグビー場からの帰路のバスは、当然ながら約1万人の長蛇の列となった。
熊谷駅までは歩くと50分かかるという。高校生らしきグループは「歩こう」といって列を離れた。
しかし、バスも埼玉県内各バス会社から派遣された車両が数十台待ち構えていたので、これは心強いと思ったのだが…。



ここ熊谷ラグビー場においては、考えられないほどの最悪の方法が行われていたのであった。



止まっているバス10台に人が乗り切ったように見えたのだが、いつまでたっても出発しない。
それが出発しないのであとのバスが停留所につけない。
当然ながら並んでいる人々はバスに乗れない。
係員からはなんの説明もない。
折悪しく雨が振ってきた。
チーフらしき人物が出てきて係員に指示をして、どこかに行ってしまった。
バイトらしき係員には雨合羽が配布され、男女キャッキャ言いながらそれを着ている。


あとで筆者が乗ったバスの運転手氏が教えてくれたのだが、バス10台が“ぎゅうぎゅう詰め”にならない限り出発しちゃいけないのだと言うことがわかった。
運転手氏曰く、
「先頭のバスに最初に乗った人は、バス10台が満員になるまで待ってなきゃいけないんです…」
「なんでそんなことしなきゃいけないのかわからない…」
「来年(ワールドカップ)のテストらしいんですけど、とにかく段取りが悪いんで…」
なるほど、我々は出来の悪い担当者の実験台か。


10台が出発しなかったのは、あと5〜6人ほど乗らないと“ぎゅうぎゅう詰め”にならないバスがあったからなのである。係員はあとの観客を整列させることに熱心で、そのことに気づいていないので出発出来ないのであった。
ようやく誰かが気づいて5〜6人ほどを乗せてバスを“ぎゅうぎゅう詰め”にして出発した。ああよかった。気が付かなければ永久に出発しないところであった。


しかし、バス10台が同時に敷地内から公道へ出るのには時間がかかる。というわけで、敷地内も公道も渋滞が生じている。公道を走っている車にとってはさぞかし迷惑なことであろう。


ようやく次のバス10台が停留所に付いた。
しかし、今度はそのバスに乗せてくれない。
先頭のバスの運転手氏が係員に「なんで乗せないの!?」と訊いている。ろくな指示も与えられていないのであろう、係員はおろおろしているか、雨合羽でじゃれ合っているだけ。
雨は激しくなってきた。
「これ、来年大丈夫なのか…?」
「熊谷には来ないほうが…(苦笑)」
という声が聴こえる。
どうやらワールドカップの熊谷会場については印象最悪なイベントとなってしまったようである。


筆者はやっとのことでバスに乗れた。
筆者を乗せたバスは途中、先に出発したバス10台の帰路とすれ違った。これではバス数十台を集めた意味がない。途中、イラツイていたからだろう、乗客同士のトラブルもあり、バス内はいやな雰囲気であった。
結局、熊谷駅まで約1時間半かかった。歩いた方が早かったのである。





――熊谷二日目につづけ――