南アルプス天然少年団

南アルプス天然少年団

通りすがりの傍観者の足跡。

雨飾山・序章

ではまたぼちぼち回想の山行記録をば…。





那須から戻って来て約一ヶ月後。
団長と副長とに、
「次は雨飾山に登ることにした」
と言われた。


雨飾山(あまかざりやま)というと、山に興味ない人にとっては馴染みのない山の名前である。
実際、筆者も最初に言われた時の反応は、
「それ、どこにあんの?」
であった。


雨飾山は、長野県と新潟県の境、妙高山火打山、焼山などと共に頸城(くびき)山塊というのに属し、その西のはずれに位置している。標高は1963m。
深田久弥氏の『日本百名山』にも選ばれており、氏が何度も登り損ねた山でもある。
「雨飾」という山名の由来についてはよくわからない。
前述の『日本百名山』によれば文政年間(1818〜1830)の地図では「雨節山」となっているがこれが正名なのか誤記なのか、これもよくわからないらしい。


さて今回は、登山口にたどり着くまでに時間がかかる為、出発したその日に山に入るのは無理ということで、二泊三日のゆったりしたスケジュールをとることとなった。
即ち、第一日は東京を出発し、登山口近くの長野・小谷(おたり)温泉を目指す。
しかしそれだけでは少し物足りない。
そこで、副長の発案で、ウォーミングアップを兼ねて、近くの塩の道を歩くことになった。
塩の道とは、糸魚川から松本に至る千国(ちぐに)街道の別称で、塩や海産物を運んだ道である。
二日目は雨飾山に登り新潟側に下山し、雨飾温泉に泊まる。
三日目は松本で観光、という日程である。


ということは、入山下山で二つの温泉を制覇出来るというわけである(嬉)。


(つづけ)