南アルプス天然少年団

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通りすがりの傍観者の足跡。

メロン記念日×GOING UNDER GROUND@『Rooftop』

ロック化計画最終章は、キュンと来てジュンとする!? 妄想を掻き立てるラヴ・ストーリー!
ビート・クルセイダース、ニューロティカ、ミドリ、ザ・コレクターズと続いてきたメロン記念日ロック化計画は今回の第5弾で最終回を迎えます。これまでの活動ではあまり接点のなかった“ロック”のフィールドに果敢に攻め込み、これまでの“アイドル”のイメージを大きく打ち砕いてきたメロン記念日。そして、ロック化計画のコラボレーションの最後を飾るのは、ゴーイング・アンダー・グランド!! これまでの曲とは雰囲気が変わり、ポップでキャッチーでコーラスが心地好い、ゴーイングならではの作品となりました。お忍びデートを想像させる歌詞をメロン記念日が唄うことにキュンと来るのは私たちだけではないはず!?
今回で最後と言わずに、今後も是非続けてもらいたいコラボではありましたが、この経験を元に、彼女たちはもっともっと大きく成長していくのではないでしょうか?(interview:椎名宗之/text:やまだともこ)

 
 


GOING UNDER GROUNDがロック化計画に加わるまで

■ロック化計画を見ていたGOING UNDER GROUND
ビークルやコレクターズが面白そうなことをやってるなと思っていたら、コレクターズの古市コータローさんから『オマエらもどうだ?』と言われて、『やりますよ』と」(vo,g:松本素生



GOING UNDER GROUNDと他のコラボバンドとの関係
THE COLLECTORSのトリビュート盤に参加しているGOING UNDER GROUNDにとって、THE COLLECTORSは“心の師匠”と呼んでもいい存在。
メロン記念日BEAT CRUSADERSがコラボをやっている時期に、松本氏はちょうどヒダカトオル氏のプロデュースでソロ(SxOxU)をやっていた。
「バンドマンって人脈で楽しいことをしようって考えるから、そういうところもロック化でちょうどいい」(松本)



■ヒダカ氏の松本へのアドバイス
「『自由に作っていいんじゃない?』って。出来た曲を聴いてもらったら、ニヤリと笑いながら『いいんじゃないか?』とあのガラガラ声で言われた(笑)」(松本)



■これまでのコラボ曲については?
「こういう作品があるんだ、っていう程度に聴いて、だから自分たちはこうしようというのはなかった」(g,vo:中澤寛規
「俺はYouTubeとかを見まくったけどね、実は(笑)」(松本)



『メロンティー

■曲はオーダーを受けてから3日で書き上げた。
「スタジオで1回セッションして作った曲を中澤に預けてパソコンで作ってもらった。新しい形で出来てありがたかった」(b:石原聡
「去年、メンバーが1人抜けて*1、レコーディングや曲作りで新しいやり方でやりたいという気持ちがあって、今までは時間がかかったのをあまり時間を掛けないで勢いでやるというスタイルを考えていた時に、このお話を頂いたので、意識的に勢いで作ろうという感じはあった」(ds:河野丈洋


「最初は『アメリカン・グラフィティ』とか昔の映画で流れてくるようなポップスみたいなものにしようと思ってた」(松本)
「ハードエッジなバンド・サウンドでやって、女の子の声で唄ったら格好いいんじゃないかって」(中澤)
「メロディーは素生が作ってセッションして、途中までしか出来ていなかったところの続きを僕が書いた。まだメロン記念日に会ったことがない状態で書いていたので、どうなるのかなとは思っていたが、こっちのペースでやらせてもらえたし、実際いい形でハモれたし、今回はそこが面白かった」(中澤)
「最初のイメージは、ロネッツとかスプリームスみたいなグループの後ろでバンドが演奏している図式だった」(松本)



■歌詞
アイドルがお忍びデートを重ねる様を描いたもの。
「最初に『SPを募って』という言葉が出てきて、SPを募ったらお忍びかなって。『京葉線に乗って』という歌詞を書いた時にこれはもう行けるだろうと」(松本)



メロン記念日の『メロンティー』の印象
「かわいい歌詞だったのは意外だった。甘い曲だなって思った」(大谷雅恵
「わかりやすくて、詞の内容も入りやすいから、唄っているこっちもキュンと来ちゃうような内容」(斉藤瞳



■タイトルの『メロンティー』について
「単純に思いついたのを言ったら『それいいな』って話になった」(松本)
もちろんロッククラシック『レモンティー』(シーナ&ロケッツ。1985年)に対するオマージュもある。



■メロンティーは実在するのか?
「磐田のららぽーとにあったみたいで…」(松本)
「歌詞の『探してみてもないよ』というフレーズが素敵だなって思ったのに、ウチのマネージャーが実際にあるのかな?って検索し始めちゃったから、余計なことして!って思った(笑)」(斉藤)



■MP(萌えポイント)
「俺も『探してみてもないよ』にキュンと来ていた。俺がキュンと来るか来ないかという判断基準。あと、俺のMPは『謝れば許すモード、そうよ』」(松本)



レコーディング

河野氏メロン記念日の印象
河野氏のブログによれば、メロン記念日に会うまで、まさかこんなにロックな人たちとは思わなかった由。
「アイドルの中でも異色」(河野)


また、河野氏は、柴田・斉藤殿の音感が非常に良かったと書いている。
「お二方に限らず皆さん良かった。大谷さんはパンチがあるし、村田さんは邪気がないので存在感が浮いてくるのが面白い。大谷さんと村田さんは短めの音をクセで唄うのがハマる気がして、斉藤さんと柴田さんはロング・トーンが凄くキレイで聴いていて気持ち良かった」(河野)
「最初は自分で解釈をしていた長さだけで唄ったら、『もっと行っちゃってもいいんですけど』って仰ったので、思いっきり伸ばさせて頂いた」(斉藤)



■ボーカルの割り振り
レコーディングの際、メロン記念日のメンバーは松本に“担当”で呼ばれていた。
「ボーカルを割り振るということをあまりやったことがなかったので、『この歌詞はセクシーに』とか『ナチュラルに』とか指示した。みんな個性がバラバラだったから、凄い良かった」(松本)
「声質は全然違うんだけど、唄い方が似てるなと思ったので、そこはもうちょっと自分らしくと言うか、それぞれの個性が出るようにというのは意識した」(河野)
「ボーカルに関しては河野さんがディレクションをして下さって、的確ですべてがピシッとしていて格好良かった」(斉藤)



■メルヘン担当の苦悩
『Rooftop』先月号のインタビューで、村田がメルヘンの立ち位置だとロックは唄いづらいと発言。
「ロック化計画の最初のほうの曲ならメルヘンな歌声でもマッチはしたが、今回個性を出すに当たって、どうやって私を表現したらいいんだろうかと凄く悩んだ」(村田めぐみ
「俺も『個性を出して』と言われても、わかるわけねぇだろ! と思いながらやっていたことは確かにある」(松本)
「でも、自分を出し切って素直にやったらそれが個性になるんだなって気づいた」(村田)



■レコーディングは早かった
「午前中から始めて、夕方前にはオケが終わった。自分たちもあれぐらいで出来たらいいのに」(松本)
「時間がない中でオファーを受けて頂いて、短時間でこんなに良い曲が出来て感動した」(斉藤)
「みんなで一緒にリハに入ってアレンジをだいたい決めて、その日は歌詞が全部出来ていなかったので、歌詞は当日に」(松本)
歌詞の完成が当日になってしまったので、松本氏はちょっと不安に思っていたらしい。
「伝わりやすい言葉で書いて下さっていたので、大丈夫でしたよ」(斉藤)


コーラスのウィウィ言ってる感じはその場の思いつきで入れた。
「あれ、盛り上がるかなと思ったんですよ」(松本)



メロン記念日から見たGOING UNDER GROUND

■柴田は、ゴーイングの『Happy Birthday』がお気に入り。
「自分の誕生日(2月22日)の時期にリリースされて(2006年2月1日リリース)、当時のマネージャーが誕生日プレゼントにCDをくれた。自分のラジオでも掛けたし、プライベートでも凄くよく聴いていた。そのメロディーの感じが『メロンティー』にも反映されていて、凄く嬉しい」(柴田)



■今までのコラボバンドに比べると、GOING UNDER GROUNDは近い世代
「でも、全くそんな感じがしなくて、凄いお兄さんに見えていた」(斉藤)
「落ち着いた印象と、爽やかな印象を受けた」(村田)
「河野さんが大人の雰囲気を醸し出してる」(斉藤)
「僕はリアクションがワン・テンポ遅いだけ。だから落ち着いて見られる」(河野)



『メロンティー』完成

GOING UNDER GROUNDとしては初のコラボ
「メロン側からも『自由にやって下さい』って言われてたから、羽を伸ばして楽しくできた。俺はやりたいことをやって、細かいところはジョーさんに詰めてもらうという、いつもの形でできたのも良かった。コーラスも『何となく入れたいんだけど、お願いします』ってジョーさんに受け流して」(松本)


「キーボードが抜けてから、改めて頑張ろうって仕切り直した感じ」(松本)
『メロンティー』のキーボード担当はGOING UNDER GROUNDのサポートをしている大久保敬氏。
「大久保さんもノリノリでやってくれて、一番やりたい感じが今回は出たんじゃないかな」(松本)



■加藤・ヒダカ氏の反応
レコーディング後、松本氏はTHE COLLECTORS加藤ひさし氏に会うなり「とりあえず聴かせろ!」と言われて聴かせた。
「(古市)コータローさんも一緒にいて、『いいんじゃないの?』って言ってた。誌面上は、悔しがっていたってことにしておいてもらっていいですか?(笑)」(松本)


レコーディングの時にはBEAT CRUSADERSも聴いていた。
「ヒダカさんも『なるほど!』って言いながらやられた感みたいなので帰って行ったので、それで良かったのかな」(松本)



■『メロンティー』初披露
『メロンティー』初披露は『ROOFTOP PROOF 09』@新宿LOFT(2009年12月2日)。
「盛り上がるだろうなとは思ったけど、予想を上回る盛り上がり方で」(斉藤)
「その現場を見たかった」(中澤)
「早く一緒にライブをやりたい」(松本)



■ライブのどの辺りで唄って欲しいか?
「俺たちがライブでやるんだったら、オーラスのゴング鳴らし系でやる」(松本)
「年末の30日と31日にやるライブの構成の打ち合わせをしていて、『メロンティー』は2回ぐらいやろうかっていう案もある」(斉藤)
「『メロンティー』は、ライブのどこで入れるかによってイメージがどんどん変わっていく。最初だとアッパーで始まるし、最後にやると盛り上がり方が泣けてくるみたいな感じ」(村田)
 
 


メロン記念日バンド化計画?

■あとは楽器?
「これであとは楽器ですよね。楽器をやると最高じゃないですか?」(松本)
「こないだそういう話をしたね」(中澤)
THE COLLECTORSGOING UNDER GROUNDメロン記念日に楽器をあげようという話になったらしい。
「(加藤さんが)『オマエやれよ! あんだろ、1本ぐらい』って言われて、『はい』って(笑)」(石原)
「コラボした曲を演奏できたら絶対に格好いいですよ。カッチリ巧くやらなくても、それが逆に格好いいと思う」(松本)



THE COLLECTORSGOING UNDER GROUNDが考えるメロン記念日の楽器パート割り

g:大谷雅恵
b:村田めぐみ
key:柴田あゆみ
ds:斉藤瞳


「和太鼓をやっていたからという理由で、加藤さんが私はドラムだって」(斉藤)
「ランナウェイズみたいな感じでやったらどうですか?」(松本)
これはヒダカトオル氏が「メロン記念日はイメージ的にランナウェイズに近い」と言っていたことと符合する。
「ランナウェイズみたいな感じで、ガチャガチャやったら格好いいと思う」(松本)



■“メロン記念日ズ”募集?
「演奏が無理なら、バック・バンドとかもいいかもしれない。“メロン記念日ズ”みたいな名前にして」(松本)
「バンドの人を割り振っておけばいい。ドラムもギターも3人ずつぐらい行けそうな人にお願いして。俺は今ソロをやってるけど、バンドは2パターンあって、この人がダメならこの人にお願いしようってやっている」(松本)
 
 


ステージでのコラボに向けて

BEAT CRUSADERSとは『アナーキー・イン・ザ・UK』を、ニューロティカとは持ち歌を、THE COLLECTORSとは『恋はヒートウェーヴ』などをセッションしたが…
「やっぱり『レモンティー』でしょ。『レモンティー』やりーの、『メロンティー』でしめーの」(松本)


他に椎名編集局長は『Happy Birthday』を提案。
「いいですねぇ!」(柴田)
「みんな歌巧いし。今回は重ねもそんなにしてないから、みんなで出したらそのままの音になるはず」(松本)



今後に向けて

GOING UNDER GROUNDからメロン記念日へのアドバイス
ロック化計画は今回で一区切り。
「敢えてロックを意識しなくてもそのままでいいと思う。もう一度ロック化計画をやるのはどうか?2回ぐらい続けると『ロック姉ちゃんたちでしょ?』って言われるようになる」(松本)



メロン記念日が今回のコラボで経験できたこと。
「楽器への恐怖心を覚えたのかも。バンドの皆さんは自分の担当があって、それが合体して曲が出来ることを今回のロック化計画をやっていてわかった。私たちは声だけだけどそれぞれに担当があって、それを音に突き詰めてもいいかなと思うし、確かに楽器もできたら格好いいなとも思うし」(大谷)
楽器を持たなくてもメロン記念日には担当があるし、そこがバンドっぽい感じもするが…。
「後ろを固めればいい、5パターンで。それならいつでもライブができるから」(松本)
「5パターンあれば、誰かしらスケジュールが合う」(中澤)
「自分のお抱えバンドじゃないですけど、ひとつ決めておくと『次のライブはロックな感じでやろうか』ってメンバーを招集できる」(松本)



GOING UNDER GROUNDからメロン記念日にエール
メロン記念日は今年でデビュー10周年。
「10年やった人ってバンドでもそうなんですけど、安心があると言うか、絶対に面白いことをしてくれるみたいな感じが雰囲気から出ている」(松本)



メロン記念日からGOING UNDER GROUNDへの逆エール
「痩せたほうがいいとか?(笑)」(松本)
「痩せて欲しくはない。私の萌えポイントなので(笑)」(斉藤)
松本さんの風体と、美しい歌声のギャップがMP。
「それは早く言ってもらいたかったなぁ」(松本)
「レコーディング中は、お菓子とかを手に取る姿とかがMPで」(斉藤)
「カールを開けて抱えている姿とか」(村田)
「そうなんだ(笑)」(松本)



■あとは、ライブでの共演。
「『メロンティー』はライブで一緒にできるようになって初めて完成だと思うから、是非やりましょう! ツアーとか、ロックっぽくていいんじゃないですか?」(松本)
GOING UNDER GROUNDのツアーのどこかにメロン記念日が乱入するとか?
「いいですね。…それ、頂きます!」(松本)




なお、今回の曲のPVは、レコーディング風景を収めたものとのこと。




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*1:key:伊藤洋一氏。